小指重心よりは親指重心のほうがいい、という意識はほとんどの方がお持ちになっているようです。確かに重心が内側にあった方が動きやすいし、回りモノでも遠心力に振られずに済みます。
それでは、自分は小指重心か?親指重心か?
・・・それはシューズの裏を見れば総合的に判断できます。
その時に小指側がより減っていれば小指重心の傾向にあり、イコール”膝が曲がったバレエ”になっているという事になります。
そうは言いましても小指重心のままでは特に、回りモノが苦手なままになってしまうので、バレエを続けていく中で自然と親指重心をとれるように体は変化していきます。
ところが、この段階で”間違った親指重心”への道に入ってしまう方が多いんです。
' それは・・・-足首から下だけで親指重心を作ってしまうんです-
そこのところをみてみましょう。
まず、小指重心の発端は腰から始まります。
以下、重心(ホントは地面を踏ん張るための力と書きたいんですが・・・)の流れを追っていきます。左図が<間違った親指重心><右が正しい親指重心>です。
まずは左の図から・・・
骨盤の後傾によって重心は外に流れていきます。
①.外に流れた重心は股関節の外側に流れます。
②.股関節外側から膝の内側に流れます。これは体は重心を内側に引っ張り込むために膝
が内旋していたり、股関節外側が落ちてくることで膝が内側に入ったりしています。
③.内膝に入った重心はバランスとるために外くるぶしに落ちていきます。
④.ルルべアップを維持するために、外くるぶしから母指球に重心を引き込みます。
この外くるぶしから親指へと重心を作る作業を続けていると、外反母趾になっていきます。
外くるぶしに流れた重心を内側に引き込もうとする親指の働きが外反母趾として表れてきます。足指開いても効果がないのはこのためです。より強く閉じようとしてきませんか?
バレエやってない方の外反母趾も基本的に上記と同じ流れです。
例えばハイヒールを履いてる方で膝が曲がってみえる方、そういう方はかなり骨盤が後傾しています。取りも直さず外反拇指の傾向にあります。
では、<正しい親指重心>はどうでしょう。同じ流れでたどってみます。
骨盤の前傾によって重心は骨盤と背骨の付け根に集まります。
(後ろから見た骨盤は前傾しているとハート型になりそのくぼみ部分に重心が溜まる
ようなイメージです)
①.外に流れない重心は股関節の内側に流れます。骨盤の中を流れるイメージです。
②.股関節内側から膝の内側に流れます。
③.内膝に入った重心は脛の内側を通って内くるぶしに落ちていきます。
④.この状態なら土踏まずを自然に通って親指重心になります。
正しい親指重心は腰から母指球まで一直線、ロスがないのがお解りいただけると思います。
間違った親指重心は関節関節でいちいち重心の修正が行われるので関節の負担が大きいです。関節の痛みのメカ二ズムも基本的にはこの負担が要因です。
関節痛は痛い処を処置しても再発したり、さらに下の関節に痛みが移動したりするのはこういうメカニズムが根底にあります。
怪我するバレエも、力の入ったバレエも、最初の外に流れる重心を減らすことで大幅に改善できます。
この外に流れる重心が減ったかどうか?~これ体感できます。
それは、汗の掻き方が変わってきます。例えるなら。。
ダラダラ掻く汗からシットリ掻く汗へと。。。変化はハッキリ感じられます。
力のロスが無くなるので、少ない力で動ける。当然そうなります。