かかとの高いルルベの足の使い方としては・・・
1.ルルベアップは真上に上がらずに斜め上に。。
2.アキレス腱縮めずに、足の甲の腱を締めて。。
3~4年前には”足指でタオルを集める練習”や”ふくらはぎの筋トレ”で踵の高いルルベを訓練されている方が多かったので、上記のような注意点をよく書いていたのですが、最近はそういう練習方法も聞かなくなってきたような気がします。
2番目の注意点は分かり難いと思うのですが。。言い換えるならドゥミポワントの指先で立ちましょう、と言っているのと同じです。バーレッスンでよくやるアレ!ドゥバンのタンジュの指先・・ドゥミ・・ポワント・・ドゥミ・・ポワント・・
そのドゥミにした指先のままその足に乗り込むように立てば、かかとの高いルルベの出来上がり!ところが。。。ドゥバンの指先ドゥミの足に立った瞬間にかかとが下がる(緩む?)。。。(@_@)ナゼ・・今回のテーマはココです。
一番問題になるのが上半身。ルルベアップの動きに上半身が連動しているかどうかです。
かかとが低い方に一番多いケースは肋骨が固まっている方。
そういう方はルルベアップで斜め上に上がれない。斜め上に上がろうとすると頭も一緒に前に行きます。すると前面に重心が移動しすぎるので指先が踏ん張って腰を後ろに逃がしてバランスする、1cmもないくらいですが。
実は、この指先に力が入った瞬間にかかとが落ちます。
左図の右側がそれ。
肋骨が固いので、胸が斜め上を向けない。
なので。。。
真上にしか上がれず、かかとを浮かすだけのルルベになります。
全身で斜め上に上がったルルベ(左側)と重ねてみます。
デフォルメがきつすぎる気がしますが。。
かかとを浮かすだけのルルベ(赤い線)では腰が引けています。
そして頭の位置は、両方ともさほど変わりません。
むしろ、斜め上に上がってる方(黒い線)が頭は後ろにある。
人間、頭が前に突っ込むと怖いので、指先に力が入るのは至極当然なんですね。。
他にも切り口によっていろいろな観点があるんですが、例えば足裏の体重の掛かり方を見てみます。大別して2種類・・
外・後ろに体重がかかる(赤色のエリア)
内・前に体重がかかる (緑色のエリア)
外・後ろに体重がかかれば、かかとが重くなるのでかかとが下がるという解釈でもいいと思いますが、もう少し突っ込んでみると・・
外・後ろに体重がかかれば外側のエリア(赤色の部分)に力が入って、内側のエリア(緑の部分)に力が入らない。このエリアに力が入らないということは・・・
内転筋が使えない = 5番が抜ける → 恥骨が出てくる = お尻が下がる
→ かかとが重くなる ・・・のでルルベのかかとが低くなる という流れに。。
この時の上半身は・・・
お尻が下がったことによる連動で見てみます
お尻が下がる → 肩が上がって前に巻いていく → アームスが体幹と連動しなくなる → 首がアームスを支える = 首が固まる(お顔がつかない)
首が固まるからの連動で見てみます。
首が固まる(お顔がつかない) → ウェストが固まる・縮む → 腰のアーチが無くなる → デコルテラインが落ちる=顔が前に出る
腰のアーチが無くなるから足への連動で見てみます。
腰のアーチが無くなる=わき腹が潰れる → 肋骨が下がる → 股関節が下がる → 外くるぶしが下がる → カマ足になる
文字の羅列じゃ分かり難いのでチャート図にしてみます。
・・・みずらい・・拡大すれば見えるんでしょうか?
こうやって見てみると、ほぼ全部が関連して繋がってきます。
この中で自覚できる症状があれば、実は無自覚な部分にも症状がある。
ですから自覚できる部分だけに気を配っても、気を抜いたとたんにすぐに戻ってしまう。。
例えば、肩が上がってる! 首が短い! と気付いたとしても肩を下げたり、首を伸ばしてみたりすれば済む問題ではなく、ウェストのくびれをださないといけない、そのためには肋骨を上げないといけない、腰のアーチがないといけない・・・
実際問題、そんなにいろんなところに気を配れるものではないし、何より踊りに集中しないといけないし・・・どうしましょ(^^♪
でも上の図に限ってみると、矢印が集中しているところがあります。つまり、そこが解消すれば全ての症状は改善していくということです。
となれば、的にするのは ”恥骨が出てくる=お尻が下がる” 。。その一つ前をたどれば ”内転筋が使えない=5番が抜ける” という部分。
要するに 『内転筋を使った5番ポジション』 これが入れば悩みどころは何もない。 5番が大事!とはよく言ったものです。かといって、つま先を180度に開いて無理矢理作った5番では、”股関節が下がる・股関節がお尻側に移動する” というところに入ってしまいます。結果、”内腿が離れる” や ”腿裏が縮む” といったところに入ってしまい「な、なんか踊りにくい(;'∀')」となる。
先程の”肋骨が固まっている” の原因はこの図でいえば、 ”ウェストが固まる・縮む” や ”デコルテラインが落ちる” といった辺りに該当します。(その他にも夏場の就寝時にエアコンを使わない、毎日の飲酒や過食でも肋骨は固くなっていきます)
その前をたどっていくと ”首が固まる” や ”膝裏が縮んで膝が曲がる” ・・・もっとたどれば・・・”足底の外・後ろに体重がかかる” にまでさかのぼります。
私のところでも内側に体重が乗る体になって、いざルルベに立ってみましょう!となると・・・できない(^^♪カカトオチル、ヒザマガル
見ると・・・内転筋抜けて5番が無い・・・もっとたどってみると・・・足の指先ガチガチです。ということは・・
足底の内側に体重が乗る体になっても、動こうとした瞬間に”足底の外・後ろに体重がかかる” 体に戻してるんです。
足の指先浮かして立った姿勢から、ちょっと指先を床に対して踏ん張ると足底の外側後ろ側に体重が流れていくのがわかると思うのですが・・・
ルルベに立とうとしても指先に力が入ってかかとが落ちる。。運動の初動でも指先に力が入って外足体重になって5番が使えなくなる。。
この指先の力。。バレエだとポイントの爪先に力を入れてしまいやすいので、まさに鬼門といえるでしょう。