前回はアームスと腰を繋ぐためのターンアウトについて確認させて頂きました。
重心位置が後ろのままでは、首や肩に力が入ってしまうので腕は腰と繋がって来ない、という内容でした。ですから踵を軸にして爪先を開くターンアウトは、踊りに使えない・・ということになるのですが。
今回は本題の”手のひら上向きで腕と胸が繋がる”です。
アームスを腰と繋ぐー1で、肘と肩甲骨を繋ぎました。その先に加える内容です。
腕と胸をつなぐために使う場所-それは”親指の付け根”と”大胸筋”の2か所です。
この2か所は連動しています。親指の付け根って大胸筋と形が似てるのでイメージはしやすい。。この親指の付け根で大胸筋をを張ることで胸が張る。。
つまり、肘を外向きで肩甲骨と繋ぐことで背中とつながる(アームスを腰と繋ぐ-1)。その先に手のひらを上向きにすることで大胸筋を張って胸とつながる(デコルテラインが引き上がる)というのが結論です。
”肘外”で”手のひら上”・・・これで腕が背中と胸に繋がる。
アン・バのポジションってちゃんと意味があるんですね。アームス使ってると肩が痛い!っていうのは肩でやっていてこういう繋がりが無いからです。
一言でいえば、”腕が腰と繋がるからこそ、踊りが指先まで繋がる”
ですから必要なベースは、重心が母指球にあるターンアウト(アームスを腰と繋ぐ-2)。その腰の上に、アームスが繋がってくる。
バレエを始めて見よう見まねで、”肘外、手のひら上”、ってやるとアームスは肩と首に繋がります。・・首に繋がったアームスは危険です。体調悪くなるし、怪我します。
単純に首繋がりで足首辺りの不調から・・でしょうか?
そういう連動もあります、ご参考までに。
さて、例によって感覚を掴みづらい方。ちなみにこの感覚というのは、”体の中をつなぐ感覚”のことです、念のため。。
アームスを腰と繋ぐ-1,2,3 と読んで頂いた感想が(´・ω・`)((+_+))( 一一)(; ・`д・´)(?。?)・・な方々・・・ありがとうございます。
こういうエクササイズはいかがでしょう?
とにかく繋がる感覚を掴む練習です。。
1.身体に沿わせて肘を内に入れます。
2.その肘で円を描くように一気に外に向けます。意識する場所は腕と肩甲骨の境目で
す。そこが開くように、手のひらは前に向けます。
3.そこから親指を立てて、親指の付け根と大胸筋を意識します。肘を支点にして腕を回
すと大胸筋が引くことが出来ます、手のひらは天井向き。
4.肘が下がらないように親指を遠くに伸ばしながら腕を伸ばしていきます。
5.親指を遠くに伸ばすことで大胸筋が引き伸ばされる感じ。
6.親指で大胸筋を引きのばしたまま、手のひら天井向き。更に大胸筋を引き伸ばしま
す。
7.と、同時に小指を伸ばして肩甲骨の外側と繋ぎます。
8.親指で大胸筋、小指で肩甲骨外側を引っ張りながら腕を降ろします。少し上を向く
と胸が上がって肩は上がりません。
アームスを腰と繋ぐ-1,3 を一気に感じていただくためのエクササイズです。
背中が締まって胸が引き上がる感覚が得られれば一番いいのですが、縮み切ってるラインが痛くて(腕の中の筋が痛い!とか・・)引き上がるどころじゃない!ていう感想でも大成功です。体の中が繋がった証拠だからです。
ちなみに指の使い方は、先ほどエクササイズの中で触れました。
”親指(の付け根)が大胸筋” ”小指が肩甲骨(の外側)” とそれぞれ繋いで使います。
そのほかにも”中指を肩先と繋いで肩の力を抜く”とかあるのですが。。
親指小指が使えれば肩の力は自然と抜けるので、中指は無意識に肩先と繋がります。
つまり、肩の力が抜けていれば中指はスーッと伸びるんです。
ですからレッスン中に、中指だけ伸ばしてみても踊りは変わらない、変な力が入るだけ。。腕が胸・背中と繋がっているからこそ、肩の力が抜けて指先は自然と伸びるんです。
最後に、このエクササイズの降ろしていった腕の着地点はどこになりましたでしょうか?
腕が背中と胸に繋がっていれば腕は身体の真横(シャツの縫い目みたいなところ)に肘が着地します。体の後ろに腕が降りがちなのですが、それは大胸筋を引く意識が強すぎます。もっと、小指と肩甲骨を意識してみましょう。