バレエに限らず他のダンスでも同じなのですが、出す足は全身を使って出す必要があります。全身を使ってない足の出し方!?というと・・
例えば前に足を出すときに、腹筋や前腿で足を出す。
後ろに出すときは背筋やお尻の筋肉を使って足を出す。
という出し方が全身を使ってない足の出し方。。
これはアウターの筋肉を使ってしまっているのでインナーの筋肉が使えてない、という話にはなるんですがその切り口では伝わりにくい。。
じゃあ、重心を移動させてバランスするための筋肉で体を使う!という切り口でも、アウターの筋肉で絶妙にバランスしてしまう。。
ついでに三つ目の切り口、軸足と動足!で考えた場合、動足にアウターの筋肉の力が入って重くなっているので軸足に乗るべき重さが動足に残ってしまっている。それでもそのまま軸足に乗り込もうとすると絶妙なバランスになるだけで、見ている人に緊張感は伝わっても安心感は無い。。軸足に乗りきるためには動足の力を抜く必要があります!
という話に至っては、遊園地でコーヒーカップに乗っている人に話し掛けてるかのような手応え・・・オコラレルゾ、チャントキイテマス!って(`・ω・´;
これら三つの切り口は、折に触れてそれぞれ書いてきましたが、やってることは一つなんです。言い方を変えると、この三つは同時に起こります。。
と色々書くより、こんな体感エクササイズは如何でしょうか?
図のように脇を締めて壁の前に立って、片足に6割くらい重心を乗せます。
この図の場合でしたら左軸。右足の踵が少し浮くくらいまでです。
↓
そこから壁に寄りかかります。脇はピッタリ締めたままです。
↓
そうすると顔が壁にぶつからないように上半身が軽く反ります。
↓
フワッと壁に着地すると右足が後ろにフワッと浮きます。
これが全身を使って後ろに足を出す感じです。足には力が入っていないのを感じられると思います。バレエでいえば、デリエールのタンジュの力感はこれくらい。
壁に着地した時に鼻先は壁スレスレの位置に来るはずなのですが、着地した時に壁からお顔が離れている方・・・当然、足も浮いてこないのですがそういう方はお腹が抜けてます。
このお腹は腹筋を鍛えてどうにかなるものじゃない。上半身と下半身とが繋がっているかどうかという類の話ですから。
この逆がドゥバンのタンジュ。下の図です。
壁を背にして片足に重心を乗せて立つのは先程と同じ。
↓
そこから壁に寄りかかります。
背中からドン!といかないようにお尻からフワッと寄りかかります。
↓
フワッと壁に着地すると右足が前にフワッと浮きます。
背中からドン!といくというのは背中や肩をを固めすぎている証拠です。
左右やってみてください。左右どちらかの足首が伸びない、膝が曲がる 軸足の外側に体重が落ちる ・・・ 等の症状が見て取れると思います。
それが体の持つ左右差です。でもそれは身体が悪い、というより体を使いやすいように身体が左右差を作ってバランスしてくれている結果。
ですから曲がる膝を無理やりストレッチするなんていうのは、体を壊しにいってるようなもの。下手すると足に力が入らない、ルルベで踵が落ちる、なんてことに。
その左右差を作らざるを得なくなっている原因を探して正していく必要があるんです。
ついでにフワッと足が上がる=無意識に上がる、この無意識な運動系が発達すれば体が勝手にやってくれる。例えばエポールマンやアンオの腕を背中で挙げる、肩甲骨が寄る、開く・・・・
この無意識な運動系に働きかけることで体を変えていく。それが戦前から日本にある整体の技術の特徴です。