”バランスをとる”とは、基本的に無意識運動です。
歩くときにわざわざバランスを取ろうとはしないではありませんか。
歩くときは右足・左足・・・・と片足バランスの連続です。でも意識的にバランスをとろうとはしていません。でも片足で立とうとする時やルルベアップ、ピルエットではバランスが悪くなる。
なぜでしょう?ー力むからですー
なぜ力むのでしょう?
可動域の少ないところを周りの筋肉がカバーしようとするからです。
例えば、ルルベアップでの注意点で
「後ろにお尻が落ちないように小指側じゃなく親指側に乗りましょう!」
-となると足首に力を入れて親指側に重心を持ってきてしまう。と、どうなるでしょう?
足首が固まる→腰が固まる・首が固まる・手首が固まる、は連動して一気に起こります。
これだけ主要なところが固まると全身ガチガチです。そこからのバランスはというと・・・
踵を微妙に上下させながら頭の重さとバランスを取るしかないです。
よくある例としては、ルルベが低くなってお顔は前に行きます。
”ルルベアップでは後ろにお尻が落ちないように小指側じゃなく親指側に乗りましょう!”
となれば、骨盤の角度を使って内転筋に体重をかけることで親指側に重心が入る、
といったイメージだと思うのですが、それはさておき。。
つまり、どこかを使おうとするとそこだけに意識が入る、ついでに力みも入る。
結局バランスが悪くなってしまう、余計なバランスをもう一つ追加するようなものです。
ですからバランスをとるためには、可動域を広げることで力みをなくす。
あとは無意識に体がバランスを取ってくれるというのがバランスの基本的な考え方です。
無意識に体がバランスを取ってくれるのですが、”無意識な力み”を無くさないとバランスはとりづらい。でも無意識な力みがわからない・・・
ひとつの方法を挙げてみます。
人の歩く姿を眺めみると右足・左足の片足立ちしている時間には左右差があります。
そして可動域の少ない側は片足でいる時間が短いです。
ですから小股の速足は両足悪いかもしれませんね。
可動域が少ないとゆっくり大股で歩くということが出来なくなってしまいます。
上半身の可動域の少なさも影響してきます。
そういうところをヒントに自分の体に当てはめてみると、可動域の少ない側(右足側か?左足側か?)に無意識だった力みを知覚できる。痛いは当然力みです。あとはそこが緩む方法を探る-可動域は染み渡るように全身に広がっていく。
とにかくバランスをとるためにアソコをこう使う、ココをああ使う・・・といった意識的な作業は不要なんです。余計なバランスを追加するだけです。。。
でも”可動域を広げることで力みをなくす”は時間もかかるし難しい・・動きの癖も変えていく必要が出るかもしれない・・そこで。。
もう一つアプローチ方法があります。
バランスをとるという作業の着眼点を変えてみます。それは・・
ー 体が中心に集まっているか?分散しているか?ーです。
先程までは”可動域と力み”がキーワードでした。今度は”中心に集める”です。
体が中心に集まっていればバランス自体が容易になる。
まず、中心に集まっているかどうかを自分で判別するためのイメージづくりから。。
人間は二足歩行なので、中心に集まっていない体でも歩くためには足裏に重心を集める必要がありますが、その作業は体が自然に調整してくれています。
その調整の仕方というのが
(O脚 X脚 外反母趾 小指の内向 膝と爪先の向きが違う 膝の曲がり ・・・)
すべて分散した重心を足裏に集めるために体が行っている、いわばバランス調整です。
そして困ったことにこういった症状は進行していきます。
そしてこれら全ての症状に共通していること、それは内転筋が使えていないことです。
ですから内転筋を使えば中心に集めることができる!
次回は、その辺りを書いてみます。