深いプリエ・・・これ、使う機会ないでしょ。。とずっと思っていました。
必要なのは重心移動に使う浅いプリエだろうと。。
ジャンプの着地で必要、っていうのも腑に落ちない。。アンディオールした足の小趾球から着地すれば自力でジャンプした着地の衝撃くらいは吸収してしまう。
裸足でマラソンの練習をしているアフリカ勢のポン♪ポン♪ポン♪とした足運びを見る中には、衝撃吸収のプリエはありません。最も衝撃吸収が必要な競技だと思いますけど・・
仮にマラソンランナーがプリエで衝撃吸収しようとすれば、推進力も吸収されてタイムロス。。そんな本末転倒な結果になりそうです。(フォアフット着地 参照)
衝撃吸収の話はさておき・・・この深いプリエを見直す機会がやってきました。
それは外足体重の方々を診ている時。。
先ず診るのは腿の外側。ここがパンパンだったり、カチカチだったり。。そしてその腿の外側を骨盤のほうに辿って行くとぶつかる出っ張り、大転子。この動きが漏れなく悪いのです。
実は今回のテーマが、この大転子。
ここでパッセの絵を二つ。。
ぱっと見て、blueman(左)の方がよい感じですね。Redman(右)はグラグラと・・今にも動き出しそうな緊張感があります、絵としてはこちらの方が面白いかも(^^♪
大転子とアンディオール~深いプリエ へと話を繋いでいく(予定)ですが、この二つの絵のぱっと見た時の特徴を先に♪
パッセの足が極まる!ということは上半身も極まってる。- blueman(左)。つまり全身で美しい姿となっているんです。ですから足だけのストレッチで何とかしようとする、なんていうのは目指しているものが不明。。闇に落ち込んでいる。。ここまで言うのには理由があって、例えば開脚前屈で背中を使わずにグイグイ股関節を伸ばし切ってしまったら右足と左足の繋がりがなくなってしまう。そうなるとパッセの足は前腿で持ち上げるしか無くなってしまいます。当然、アンディオールや引き上げも無く、闇を彷徨う。。。
もう一つ、骨盤水平について。
redman(右)が骨盤水平ですがblueman(左)はパッセしている右側の骨盤が上に上がって見える。骨盤が右上がりというより”左側が前・右側が後ろ”、それによってパッセの足の付け根に空間が出来て足の付け根が骨盤の中に収納される。この辺りは後ほど。。
残りのポイントを探してみると・・・
左軸足の膝とパッセした足の爪先の位置関係。
全身でパッセが極まるとblueman(左)の位置に爪先が来ます。
膝の内側下の小さな窪み、ピンポイントです。
軸が左足に集まっていれば自然とココに来ます。
redman(右)のように軸足から爪先が離れているということは、軸足に力が集まっていないことを表します。そうなると =右前腿でパッセの足を引き上げている、それは =パッセの足が重い。
パッセに上げた足が重いので、redman(右)の体は左に倒れてバランスをとる。
redman(右)が左右でバランスをとっているのに対して、blueman(左)は前後でバランスをとっている。それはblueman(左)は初動で”左骨盤前・右骨盤後ろ”という前後バランスでの軸づくりになっているので、redman(右)とは違うパッセの姿へ。。。胸が張るのが特徴ですね。
さて、大転子です。大転子の話を何処に当てはめるかというと・・・この部分。。
”軸足に力が集まっていない… =右前腿でパッセの足を引き上げている、それは =パッセの足が重い …。”
これまでこの手の話は軸足に体重を絞る!という切り口の話にしていましたが、今回は逆、パッセの足がターゲット。。そしてその肝になるのが大転子です。
上の二つの絵で見てみるとredman(右)がアンディオールした足をただ引き上げているのに対して、blueman(左)は骨盤の中に引き込んだ足をアンディオールしながら開いている。端的に言うと、付け根の引き込みが違う。この付け根の引き込みに大転子を使います。ここまで見てきたポイントは下図です。
以前、この付け根を引き込むパッセのエクササイズとしてパッセの足で軸足を作るを上げていたのですが、この大転子の動きが悪い方だと内転筋使いながらパッセに足を持って行ってもアンディオールしていかない。
そこで今回は仰向けで大転子を意識しながらパッセのエクササイズをやってみたいと思います。ちなみに大転子の動きが悪い理由。。それは・・
1番ポジションに入るときにこの大転子をお尻の方に回してアンディオールするようです。それ自体は否定しませんが、その時大転子を下げてしまいます。
そうなると恥骨が前に出て腰が下がる。上半身を支えるはずの腰がいなくなるので上半身の重さは大転子に乗っかる。大転子は固まって動けない。。
仰向けでのエクササイズにしたのはこんな理由です。上半身の重さで大転子が動けなくなるということがなくなりますから。・・(つづく)