”背中から腕を使う”の最終回です。
前2回の話をまとめてみますと、背中から”腕を使う=肋骨のバネが使える”。肋骨のバネを使うためには”正しい肩甲骨の位置”が必要という話でした。
今回は、肋骨のバネを体感していただくために仰向けで行います。
まず・・・
A.(前回の図のイメージの)正しい肩甲骨の位置にもってきます。
そして肩甲骨の下の角が、背中の中心に向くようにします。
コツは・・・
床に肩甲骨をぺったり着けて、肩甲骨を寄せながら少し胸を張る感じです。
※今一つ感覚がつかめない方は・・
”大の字”に寝た所から下図のように手首フレックス。そこから小指を背中側に巻き込むようにして腕を折り畳んできます。肩甲骨が寄りながら胸が張れる感覚があればOKです。
(両側から迫ってくる壁を支え続けるようなイメージです)
B.次に肩甲骨の下の角の線が腰の中心に向いてるかどうかの確認
をおこないます。やり方は小指で肩甲骨の外側の皮膚を引っ張ります。上手く感覚が繋がると肩甲骨の形が頭に浮かんできます。皮膚は一枚の皮だ、とイメージするとやり易いでしょう。(イメージできる方は即に体の精度も高いといえますが…)
そこから肩甲骨の下の角を微調整します。
※上図のやり方でやってる方は折り畳んだ腕を手首フレックスの
まま小指で1~2㎝引いて、戻して(折り畳んだ腕を小さく伸び
縮みさせる感じです)を繰り返してみると肩甲骨の外側が感じら
れると思います。
では・・・
仰向けの正しい肩甲骨の位置から肋骨のバネを確認してみます。
①腕を伸ばして脇を締めて、「気を付け」の姿勢をとります
※上図のやり方でやってる方は折り畳んだ腕の肘から先だけを伸ばして、そこから「気を付け」の姿勢に入ります。
②腕の内側で肋骨を感じながら腕を伸ばしたまま頭上に上げていき
ます
③腕を伸ばした緊張を切らさず上げると途中で一度止まる所があり
ます
④その止まった所から腕の重さで頭上方向に1cm位振ってみます
と、振った分だけ肋骨が動く感覚が得られます。
いかがでしょう?上手くいっていれば腕と肋骨がアソビなく繋がったような感覚がある筈です。これが”肋骨のバネ”です。ここまで上手くできた方は、もう一つ確認してみましょう。
⑤④の位置から小指で肩甲骨の外側の皮を引っ張りながら腕を横に開いていきます
⑥腕の止まった所がアラセゴンの位置です
これも上手くいっていれば、腕の下側のラインから小指がはみ出ることはありません。なぜなら小指と肩甲骨とは深い関係があります。ですからアラセゴンのポジシヨンで小指が外れているということは、肩甲骨が使えていない=背中から腕が使えていない、ということになります。
最後にそこから緊張を切らさずにアンバーのポジションに入ります。
そうすると胸の真中(胸骨)が張り出してくるような感覚が出てきます。これが腕の重さが上手く肋骨に乗っている状態です。
そしてこの胸骨の張り出しを感じる位置がペンダントの位置であれば肋骨は下がってないのですが、その位置が鳩尾に近ければ近いほど肋骨が下がっていることになります。
例えばアンオの位置に入るためには、この張り出しごと腕を上げていくことが必要になります。腕だけでアンオに入ると胸が落ちます。肋骨のバネが使えなくなった瞬間です。
今回仰向けで行ったのは肩甲骨の位置を体感していただきたいからです。
おまけ・・・仰向けで行うと肩甲骨は体の面に対して平行です。
肋骨が下がってる人が立ってアンオした時、肩甲骨が地面に垂直な意図をキープすれば
当然低い位置になります。
では、正しいアンオの位置まで無理矢理に持っていくと肩甲骨はどうなります?
後ろに倒れますよね!と同時に・・・みぞおちのあばらが開くのでした。
もう一つおまけ・・・そこから注意されてあばらを腹筋で閉めたらどうなります?
肩が上がってくるんです。そこで肩挙がりを注意されれば肩甲骨に注意が向くので次回からは変わってこれるんでしょうが、そこで「よし!」となった場合、肩上がったアンオでやっていくことになります。前回の話じゃないですが、そのまま10年も続ければ目が血走ってきます。ホントですよ。
やはり正しい肩甲骨の位置を手に入れる処から…という結論で〆させていただきます。