アームスの質問はホントに多いのですが、個人個人でポイントが随分違います。
そこで、基本的なアームスの考え方をまとめておきたいと思います。
アームスの質問への回答は、肩を前提として3箇所。-肘・手首・指-です。
この3箇所の役割を-アン・バ-のポジションで考えてみたいと思います。
アン・バのポジションでの注意点は ”肘は外” ”手のひら上向き” だと思いますが、何故なんでしょう?
それは”アームスを全身と繋げる”ためです。ちょっと、具体的に。
”肘は外”→腕と肩甲骨が繋がります。
”手のひら上向き”→腕と胸が繋がります。
この二つの動きで腕が背中と胸に繋がるということになります。
もう少し具体的に・・・肘を外に向けると肩甲骨が繋がるというのは?
骨格の構造で観ると、腕を横に上げて行くと上腕骨と鎖骨・肩甲骨がジョイントするようにして繋がるのですがそういう種類の繋がりではありません。そういう上げ方は三角筋等のアウターの筋肉でやってしまうのでダンスに使う繋がりではない。
というより力が入らない、と言った方が正確なのですが・・・
”腕と肩甲骨がつながる”をイメージしやすいのは、ウェイトリフティングの競技を見ている時。。
床に置いてあるウェイトのバーに手をセットした瞬間、肘は外を向いています、
個人差はありますが。。
その角度が肘と肩甲骨が繋がる角度。
でも肩の力は抜けています。
そこから背筋というより腰で挙げる。
つまり肘を外に向けると、腰-肩甲骨-腕が繋がって力が入る、といったイメージ。
バレエでの肘・肩甲骨を繋げる・・のも、基本的な体の使い方は一緒です。アームスを肩ではなくて肩甲骨-腰、と繋ぐことで力が入る。そのやり方は・・・
脱力して腕を体側から前方に転がします。
そうすると肘は外を向いて腕は少し前に出ます。
腕は前に出るけど肩には力が入っていない。。
のがポイント!
そこがアン・バの肘の位置です。
感覚としては肩甲骨の辺りの皮が張って肩甲骨が少し浮き彫りになる感じ。。
これは以前、背中から腕を使うでお伝えした内容です。
不思議なのですが、ここに来ると背中にある肩甲骨の形が頭の中でイメージできます。肩甲骨の場所が明確になるというか・・。あとは。。すぐ肘鉄できる感じとか。。
腰と繋がっているので、すぐ肘を動かせるんです。
絶対にやっていただきたくないのが・・・「腕を前にもっていって」から「肘を張る」やり方。。最終的なアン・バの格好は同じに見えるのですが・・・
実は「腕を前にもっていく」時に肩の筋肉でやってしまいます。(左図)
そこから「肘を張る」と二の腕が張ります。(右図)
そうなると・・・いずれ肩が上がって首が縮みます。
アームスの初動を肩の筋肉でやってしまう・・これだけでご破算です、気づきにくい力みですが。。。
「脱力する」の難しさって、こんな精度まで落とし込む必要があります。
どうしても感覚がつかめない方は、ウェイトリフティングの選手(先程の図)のように
腕をぶら下げてバーを持ち上げるような恰好をしてみると、肩の力が抜けて肘が自然に外を向く、そうすると腰との繋がりが分かるのではないでしょうか?
ポイントは力を抜くことです。特に背筋群。
ここも知らず知らずのうちに力が入ってる場所の代表格、腰との繋がりは断たれてしまいます。
ちなみにアームスを腕・肩の筋肉で使っていると、その負担から肩甲骨が開いていきます。背中に締まりが無くなってびろ~んと拡がってしまうイメージです。
(`・ω・´)オコラレルゾ!
右側が肩甲骨が開いた典型的なイメージです。
肩甲骨の下の角が開いてしまう。
こうなると腕と肩甲骨の境目がハッキリしなくなります
(右図は左図と同じ緑の矢印が入らないイメージ)。
ので、腕は短くしか使えない・・ふりそでタイプの二の腕になっていく・・・
ふりそでタイプの二の腕になると、腕で肩甲骨の皮が張りにくくなります。
つまり、より腕を転がし出す必要が出てきます。
ですから体と繋がったアン・バの肘の位置には個人差があるんです。
次回は”手のひら上向き”で腕と胸が繋がる、にいきます。
・・・が、肩・首に力が入っているとコレは絶対に使えません。