膝が痛くなるバレエをアチチュードを使って考えてみます。
それでは・・
前回のカンブレを応用してアチチュードの姿勢に入れてみます。
応用となる部分はー背骨を使って重心移動するーところです。(バーレッスンでカンブレの姿勢から後ろ足スタートでアラベスクにもっていく動きがあると思うのですが、後ろ足スタート直前の重心移動も同じです)
そして重心移動ができれば、上げる足の重さがなくなるので軽く上げることができます。
上図の②捻りの骨で捻ることで重心を片足に移すことができます。
また、この骨が捻れるということは、ペンダントのポイントの裏にある④捻りの骨もよく捻れています。
更に④が中に入って捻りがうまくいってると、じつは連動して股関節も緩みます。
そうなると②捻りで重心移動されて、重さを感じなくなったもう片方の足は,アチチュードの形にフワリと入れることができます。
キレイなアチチュードを後ろから眺めると、肩甲骨の間の背骨が必ず中に入っています。
②④捻りの骨で重心移動と柔らかい股関節が得られるからです。
では膝捻りのアチチュードです。膝の負担があるアチチュードを図示しますと下図なのですが・・・
要は ”膝が支点になってしまう” ということです。
②捻りの骨で重心移動ができないので上体の重さが両方の腰に乗ります。ということは・・
両方の足に重さが入るので上げたい足も重く感じます。
こうなると腰とのつながり感が薄いので上図に比べると足が短く見えます。
更に④捻りも連動して入らないので背中の広~いアチチュードが出来上がります。・・捻りがないので上体と足がぶつかり合ってるような印象になります。
(この図では大臀筋で足を引き上げるイメージ
・上の図だと中臀筋で足と腰とをつなぐイメージ)
このまま足を上げようとすると上体が前に倒れてきますし、上体を起こそうとすると足が落ちてきます。
下からの力と上からの力とが腰でぶつかってます。
腰の負担は一目瞭然ですよね。
このようにファーストポジションでの前後の軸に失敗があると、その次の動きにつながってこないばかりか、体に無理を強いることになります。
腰捻りとの差についてまとめてみます。
②捻りが入ってる -(腰捻り)
上半身の体重を骨盤の片側(軸足)に集約できる。
上げる足の重さが軽くなる。
股関節を支点にしたバランスになる。
軸足(支点から下)の重さが重く安定する。
②捻りが入ってない -(膝捻り)
上半身の体重は骨盤の両側に分散される。
上体の重さが両足に入るので、上げる足が重い。
膝を支点にしたバランスになる。
軸足(支点から下)の重さが足りないので不安定。
上げてる足の重さが違うのはすぐに体感できると思います。
膝は曲げ伸ばしでしかバランスをとれませんが
股関節は回旋運動でバランスをとることができるうえに、非常に強い構造をしています。
”バレエの片足で立つコツ” はこんな所にあります。
背中の話に戻ります。
「踊ってる背中をキレイに!」とよく言われますが、では「どんな背中がキレイな背中?」
それは背骨がキチンと収まって動きがある背中!です。
では背骨がキチンと収まるためには?
それは②④捻り の骨が収まっていることです。
そうすると背骨の前・後・右・左・捻・開・閉 の動きが使えるようになります。しなやかな動きはこんなところから生まれると考えます。
そして背骨がよく動くということは、体のいろんな機能の働きが良いということになります。
その先は整体の話になるので割愛しますが、
逆に部分疲労が固着してしまうと連動した背骨の動きも阻害されてしまいます。
すると動きが阻害された背骨と、連動する椎骨も徐々に動きを失っていきます。
そして負の連鎖はつづき・・・広い背中のできあがり!
(以前「大人の姿勢は硬い!」でそこのところは書いてますので参
考にしてみてください)
それにしても今の若い人に広い背中が目立つのには・・異常感を感ぜざるを得ません。
捻りによる体重移動まで話が来ましたので、次回はアンディオール・ピルエットについて書いてみます。