以前、デリエールの足指の使い方を記事に挙げました。
概要としては「力を抜いた指先を小指から順番に床から離していくことで親指が伸びる方向に働く」というもの。
じゃあ、ドゥバンはどうなの?ということで今回です。
特にドゥバンでは、足の指(や土踏まず)に力を入れて丸め込んでしまう方が非常に多い。足の裏をギュッと固めてしまうと屈筋群を使ってしまうのでアウターの筋肉のネットワークになってしまう。つまりインナーマッスルで踊ることが出来なくなる。
というより全身ガチガチに固まってしまう、と言った方がイメージしやすいかもしれません。使いたいのは足の裏側ではなくて足の甲側の伸筋群。。
でも、頭では解っていてもなかなか上手くいかない。
その理由は力が入ったまんまでやろうとするからです。
足の裏側を縮めたまま足の甲を伸ばすというのは無理。
足の甲が伸びるというよりは足首が伸びて(アキレス腱が縮んで)しまう。
それはそのまま怪我の元です。
欲しいのは、足首ではなく足の甲を伸ばす感覚。。こういうのは如何でしょう?
1.ドゥバンにタンジュの足を出します。
2.そこから1cm足を浮かします。小さな小さなデガジェですね。
3.足の裏の力をフッと抜きます。
4.片足立ちで不安定な体はデガジェに出した足指は地面に着地しようとします。
それこそ体が勝手にやります。1cmだから届くと判断するんでしょうか?
足の甲から伸びようとします。これが伸筋群を使う感覚。
上手くいかない方は、1cmのデガジェを前腿で挙げている。つまり、屈筋群を使っているので伸筋群が働けない。腰を後ろに引くようにして1cm上げましょう。
それでも上手くいかない方はタンジュ自体を屈筋群で出している。それは前腿と背中を固めているということなので・・・背中を緩めることから始めましょう!
前屈の運動をやってみます。
足幅は腰幅の6番。平たく言えば、普通に立ってる姿勢から始めます。
そこから前屈していきます。どうでしょう?
確認したいのは手足の指先の位置です。
背中や首に力が入っていると、手と足の指先が離れてしまいます(左図)。逆に・・
背中や首に力が抜けていると、足の指先の位置に手の指先が向かっていきます(右図)
それの何がイケナイかと言いますと・・
(左図)は背中が緊張しているので前屈していくにつれ、どんどん力が入っていき首肩
までその緊張が伝わります。
(右図)は背中が緩んでいるので前屈していくにつれ、波及して首肩の力まで抜けてい
きます。
そうなる理由は単純で、足の親指と頭の位置関係でそうなります。
普通に立った姿勢からの前屈で頭が足の親指より前に行くと、それを支えるために背中が緊張します (左図)
逆に頭が足の親指より前に出なければ、後ろに倒れないように頭は前に前に行こうとします。つまり背中が伸びる。そうすると屈筋群のネットワークがOFFになって伸筋群が使えるようになる(右図)
ジャズダンス等でも、フロアーから立ち上がる時に一瞬前屈姿勢を通る場合も右図の感じ。。背筋使って立ち上がったのではスピード感がない。。
バレエでもドゥバンに足が出たときにお顔が正面向いてる、ってことは首~背中が緊張してる証拠。
トゥバンのポジションで、少しうつむいた姿勢になるのは背中が緩んでいるから。。それはそのまま重心移動に繋がっていくんですが・・・話が飛躍する前に・・・
「ドゥバンで足の甲を伸ばすために、まず背中は緩めましょう!」というのが結論です。