アラベスクで最も気になるのが・・・
アラベスクの足・・・の上げ方についての悩みが多い点。。
アラベスクで意識する点は足ではなく背中なのではないでしょうか?
と思うので今回は足ではなく、その背中について書いてみます。
例えば、ピルエットからのアラベスクを男性が支えるパドゥドゥなどでは、背中が腰から立ち上がっていたほうが二人の姿が並列に揃うので見映えがします。
みなさんが重きを置くアラベスクで上げる足は?というと、
軸足に体重を乗せ切ることで上げる足は重さが無くなります。
そこから前に重心を移動していけばその人の可動域内で自然に上がる。
後は可動域を広げていく・・・という話になっていくと思うのです。
そもそも上げる足を意識すると足に重さが入るので関節周りは硬くなって自動的に上がらなくなる。ですからアラベスクで意識を置く場所って、せ・な・か。。。
ということで冒頭のアラベスクの背中、2種類の角度の取り方を説明してみたいと思います。下の二つの図がアラベスクの2種類の角度の取り方になります。
右図のアラベスクが問題なんです。
”苦しそうに見える!”とか”腕は後ろじゃなくて横!”と注意されるヤツです。
足の上がり具合は同じにしてあります。大きな違いは2点です。
<腰捻り>は背中の立ち上がりの部分がへその裏辺りなのに対して、
<鳩尾捻り>はみぞおちの裏辺り。
どちらも、この立ち上がる部分から体を捻って使います。
もう一つ・・
<腰捻り>は体が正面を向いているのに対して・・
<鳩尾捻り>は体が斜めに開いている。
どちらも、体を捻って背中が立ち上がりますが、
<腰捻り>は肩甲骨から上が正面に向き直ることができます。対して・・
<鳩尾捻り>は正面に向き直ることができないので体が斜めに開いたままになります。
ちなみに先程の”ピルエットからのアラベスクを男性が支える”時、二人の背中が揃うのは
<腰捻り>の方です。本題はココ!
見た目よりも”体を壊さない踊り方”で考えた場合に、一番重要な違いをお伝えします。
それは、みぞおちから立ち上がると肩が上がってしまうということです。
必ず上がります!それは同時に首が短く見えることによる見栄えの悪さ、となりますが見栄え云々よりまず、これでは頭の緊張から体を壊していきます。
ストレスから病気になる!という言葉を耳にされたり、感じたりされたことないでしょうか?それは頭の緊張から眠りが浅くなって疲れが溜っていったり、臓器の働きに変調が出たり・・・
このみぞおち(の裏)から立ち上がるアラベスクだと、みぞおちの緊張から首に緊張が入り、肩が上がってしまいます。。それは、頭にストレスが掛かっているのと同じ状況になります。
汗かいて踊って発散してるつもりがストレスを溜め込んでいってる。。。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実はそうでもないようです。
概ね、女性で腰が痛い!足が痛い!なんて訴えてる間はまだましな方で、
首が痛い!腕が痛い!となると深刻なケースが多い。
アラベスクに限らず、みぞおちを固めるバレエが染み付いている方によく見られます。
ついでに踊りへの影響はどうでしょう?
上の二つの図では重心の位置が違ってきます。
<腰捻り>は下腹部にあるのに対して、<鳩尾捻り>はみぞおちに重心が来ます。
重心が高い位置にあればそれだけバランスを取るのも難しくなります。
そしてバランスの崩れに対応しようとすると指先には力が入ってしまいます。
踊りの伸びやかさが消える瞬間です。
足が上げやすいのは、右のみぞおちから立ち上がるアラベスクかもしれません。
下半身を捻って、足を横に開けば上がってるように見えます。
が、そこには良い事なんか一つもありません!
結局、アラベスクは意識を背中において、首肩に力が入っていないか?でご自分の体の使い方の是非を判断されるのが賢明ですよ!という結論で〆させていただきます。