ポール・ド・ブラやエポールマン。。そのポジション、角度や軌道といったものを精密に覚える必要があるのでしょうか? -その必要は無い-と考えます。
では、何が必要なのでしょう? -力を抜いて全身を連動させること-。
例えばエポールマン。。首や肩の角度をそのポジションにもっていったとしても、背骨がガッチリ固まっていたら体のラインには活きてきません。
なぜなら、背骨がそれぞれ分担して持つ役割-前・後・左・右・捻-の動きが出来なくなってしまうから。逆に背骨に余裕があれば、前・後・左・右・捻の連動は首から腰まで自然と繋がっていく。
その結果、その人なりの全身使った美しいポジションが一点だけ決まってくる。
背骨をこれは前、これは後ろ・・・と一つずつ考えなくても、自然と連動して首から腰まで繋がっていきます。そこがエポールマンの本質だと思います。
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ところが、そういったものを決定的に邪魔してくる余計な力の代表格。。
それが首肩に入ってしまう余計な力です。
この首肩に余計な力が入ってしまうと、首肩は全身との繋がりが途切れてしまう。
そうすると首肩はバラバラに動く。。腕の位置はココですか?首の角度はココですか?
という見当違いな疑問が沸いてくるんです。
腰から背骨を経由して肩甲骨まで繋がってしまえば肩や首に余計な力が入ることはなく腕の位置や首の角度はその人なりの位置に自然に収まる。つまりボールドブラやエポールマンを手に入れるには、首肩の力が抜けることが大前提になります。。
更に悪いことには余計な力が入ってしまっていることに気が付かない!ケースが多い。
でも気付くチャンスはあります。
例えばピルエットでお顔がつかない時・・・それは首肩に力が入っている証拠です。
そこで、回る直前に首肩の力を意識的に抜いてみる。でも、お顔はつかない。。なぜ?
それは、プレパーレーションの手をすでに首肩の筋肉で上げてしまっているので、手を降ろさない限り首肩には余計な力が残ってしまう。。
ですから回る直前で肩下げたりしても首肩の力は抜けないんです。
”気付いているのに気が付かない余計な力”ってこんな感じです。
このように、力が入っていることに気付きにくい首肩の力。でも、首肩の力が抜けた感覚を知ってさえいれば、首肩に力が入っている力をもっと具体的に感じられる、はず。
そこで”首肩の力を抜く”感覚を体感していただくために考えてみました。。
6番から足幅腰幅に立ちます。
そこから首を真横に倒します。真横です。立ったまま肩を枕にするように、耳が肩に近づく感じです。(左図)
そうすると頭の重さで逆の肩が引き上げられます。ここが肩の力を抜くチャンスです。肩の力を意識的に抜いてみたときに肩が重く落ちていく感覚があればOKです。
この時にスーっと肩が落ちていくような感覚があれば、逆側の肩の力はよく抜けていると言えます。
問題は肩が重く落ちていかない方。肩に何かしら力が残ってしまう、首が張ってしまう方
そういう方は、目の力も抜いて真横から少し前に頭を転がします。転がすわけですから首の筋肉は使いません。ちょっと会釈しようとするだけで勝手に転がり落ちます。(右図)
そうすると肩甲骨の内側(図)のラインを引っ張れる角度があります。
その角度に入れば肩の力が抜けて、肩甲骨がスーッと落ちていく感覚になります。
さぁ、肩の力が抜けたところでお顔を元に戻しましょう。
でも首の力で戻すと首に力が入って、いずれ肩にも力が入ってしまいます。
スーッと落ちた肩甲骨の重さに引っ張られるようにお顔を戻してきましょう。
逆も同様にやってみると首肩の力が抜けた姿勢の感じが分かると思います。
普段の姿勢で、その脱力感をキープできればいいわけです。いかがでしょう?
どこか苦しかったり、痛かったりしませんか?
デコルテラインが重苦しい感じ・・喉が詰まる感じ・・背中の肋骨下辺りが痛かったり・・人によって様々ですが、肋骨周りに違和感を感じる方が多いです。
そういったものをカバーするために首肩には力が入るんです。(大抵は)肋骨が潰れてしまわないように肩を軽くするために力が入る。そんなイメージ。。
ですから、上がった肩を忌み嫌って無理矢理下げても。。もみほぐしてみても。。肩は身体を守るために(立ち)上がってきます。。。まぁまぁかな ?
(`・ω・´)キリッ!・・シメタホウガヨサソウダ)
参考までに・・首肩脱力したところからのアンバと背骨の連動を。。
アンバ:肩甲骨の下の尖りと肘の距離を離そうとすると首肩の力を使わずにポジションに
入っていけます。
背骨の連動:右図の状態から後ろに転がしていきます(首の後ろで引っ張るのは厳々禁で
す)。胸を前に出していく(胸で顎を押し出す感じ)と転がります。
更に胸を押し出し続ければ”後ろカンブレ”のイメージに。。
一言に”力を抜く”といっても”抜いたつもり”で抜けていない。
今回はそんな”力”を先ず、感じていただければ幸いです。