一般的に固い背骨というのは負担の蓄積が原因です。負担というのは悪い姿勢であったり、臓器の負担(例えば食べ過ぎ、飲み過ぎ)であったり。。
ところが姿勢が良すぎて?固い背骨になっているケースがあります。
それがバレエをやってる方の背骨。。今回はバレエの話になります。
”まっすぐ腰”の方も、背骨のアーチのある方も統べからく固く詰まっている背骨たち・・・椎間が無くなっている感じ。。
でも、ご自分では背骨を固めてるつもりはない。でも結果として固まっている。
そうです、知らない間に固く詰めてしまっている。。といった様子。
背骨が固く詰まっていると踊りへの影響もさる事ながら、まず体調が悪く(睡眠で回復できなく)なっていきます。そして体調が悪くなると関連する他の椎骨も固く動かなくなっていく。という悪循環。。
当然、踊る動きにもどんどん制限が出てくる・・・
固い背骨ってこんなイメージ。。
赤い破線は踵のライン
背中側ということです、
平たく言えば。。
左側の青の5段の箱が肋骨(胸郭)のイメージ3種
(ABC)
それらがアラベスク等の
反る動きで変化した後が
右側の図です。
それぞれ見てみます。
A:理想的な状態です。
柔らかい胸郭の背骨側が縮んで前が開く。肋骨全体が扇形に変化するイメージ。。
背中の締まったアラベスクはコレですね。
B:1番ポジションで既に背骨を詰めてしまっている状態です。
Aのアラベスクと同じレベルで既に背骨側が縮んでいる図です。
そこから反る動きとなると、背骨は縮みません。そうすると後ろに折るしかない。
ここで重要なのは赤い破線のラインを超えてしまうこと(後で少し触れます)。
重心が後ろに逃げるんです。アラベスクでいうと上げる足が重くなる。
お尻と背筋で重い足を吊り上げなきゃならなくなるってことです。
C:これ何んでしょう??ーBの状態が癖になった結果です。
詰まり続けた背骨に合わせるかのように前の肋骨も詰まってしまった状態。
そこから反る動きとなると、背骨は縮まず後ろに折るしかないのはBと一緒。
Bとの違いはあばらが開いてしまうこと!
(青の破線はあばらの開きを見てもらうために入れてみました)
あばらが開くということは肋骨の前も固く詰まっているということ。
なぜ背骨を詰めてしまうのでしょう?
私も当初はアラベスク等の反る動きで背骨を捻らないから、背骨を詰めてしまっている
んだと思っていましたが、どうやら原因は初動にあるようです。
例えばピケアラベスクの初動=ドゥバンのデガジェ。。
例えば後ろカンブレの初動=小さく頷くような動き。。
これらは背骨を緩め(椎間を空け)ている瞬間です。
この初動で既に背骨を圧し潰しているので、この後が反れずに背中を折ってしまう。
特に反る動きの前やジャンプの前・・・よく使うのがドゥバンのポジション。
ここで”どれだけ脱力できるか?”で後ろへの足の上がり具合やジャンプの高さが変わってきます。この話をしていると「どうやれば力が抜けるんですか?」とよく聞かれます。
「そのためのバーレッスン(^^)」だと思います。
余談になってしまいますが・・・
バーレッスンではとにかく力を抜く。
バーは肘と肩甲骨を繋ぐために腕の重さを支えるだけ。。
崩れそうになるバランスを支えるだけ・・・
ですから"バーを握って動足の指先をギュッと丸めて伸ばす"は絶対にない。
ー肘が使えない、力が抜けない、バーにつかまってないとバランスできないー
バーレッスンの目的を、体を緩めて重心を中心に集めること!とすれば、動足の指先を
意識するのはセンターレッスンでということになります。。。
そもそも指先が伸びないのは、腰が硬くて内転筋と母指球が繋がってないから。。
かま足になるのは外足重心だから。。
バーレッスンで矯正できる内容ではないと思います。指先の話を補足すると・・
力を入れた指先は爪が床に着きますが、力が入ってよく伸びた指は爪と肉の境目のラインが床に着きます。力を入れると指が曲がるってことですね。
話しを戻します。まとめながら・・
アラべスク等の反る動きに入る前に既に背骨を固く詰めてしまっている方が多い。
背骨を緩める動きの練習は、バーレッスンで。
”背骨を緩めるべき所”の練習・・
バーレッスンで意識したいのは、ドゥバンのタンジュです。
下の図です。
ちなみにコレ、やっちゃダメな例です。
この時の肋骨は上のBの図です。
'体を壊さない-ドゥバンのポジション-はコレ!?。
↓
ポイントはかかと重心。。
そのためには骨盤の後傾が必要です。
仙骨を立てる!ってやつです。それでかかと重心に入る。
つまり、上半身はコントラクション。。
その時・・
頭の付け根を折らない、折ると背骨を潰してしまいます。
頭を止めておいて、腰との引き合いになるので椎間が空く。
(後ろカンブレに入る前の小さい頷きは、頭の付け根を伸ばし
て後傾する骨盤と引き合う作業です)
この図の所まで来ると、ジャンプ直前の瞬間!ていう感じです。。。
んー、アントルラッセの直前とか。。
もう一つ!
反る動きで踵のラインを超えると後ろの足が重くなると書きました。
踵のラインを超えないということは、つまり頭の位置は軸足の真上。
頭の位置を軸足のライン上に置いて反るためには・・・
上半身が前に行きながら反る必要があるということ。
その場で反ると頭は後ろに行って後ろの足の重さに化けます。
アラベスクを見る時のポイントと言ってもいいんじゃないでしょうか?
背骨を固く詰めてしまわないために練習したいのはバーレッスンのタンジュ・・
ドゥバン→アラセゴン→デリエールは動足の力を抜いて。
意識するのは軸足の踵から母指球への重心移動。
いろんなことを一気に書いてしまいましたが、どうぞお試しください。