「体幹を使う」・・・といえば、インナーマッスルを使う。という連想になるでしょうか?
その通りだと思うのですが、あまり使えてるようには見えないケースが・・多々・・
「体幹を使う」をイメージですると、”インナーマッスルを使う”というより”インナーマッスルのスイッチが入る”、といった方がしっくりきます。。
例えば、体幹が弱いのでインナーマッスルをしっかり鍛えたとします。
さて以前と同じように動いたとして、この鍛え上げたインナーマッスルは使えているでしょうか? -答えは”NO”ですー。
なぜなら以前とは使い方を変えないと、インナーマッスルは働いてこないからです。
使い方を変えることで”インナーマッスルのスイッチが入る”・・・そんなイメージ。。
使い方を変える・・とはなんでしょう?
”インナーマッスルのスイッチを入れる” ためには ”アウターマッスルのスイッチを切る” 必要があるということです。
(かと言って、完全にオフにするわけでもないですが。。。)
ですからインナーマッスルを鍛えるときにも、アウターマッスルのスイッチが入っていてはインナーマッスルは鍛えられない。
例えば、ゴムチューブやダンベルを使ってインナーマッスルを鍛えるとします。
その時にゴムチューブやダンベルを持つ指に力(具体的には指の屈筋、握る力ですね)
が入ってしまっては、アウターマッスルのネットワークがメインになってしまって、
インナーマッスルは鍛えられません。(だから軽めの負荷でやるんでしょうね)。
使い方を変えるとは、例えばそういうことです。
それは、バーレッスンでも同じことが言えます。。
バーを握るということは、アウターマッスルのネットワークでやってるという証拠になります。ですからバーを握ってるところから、注意された肩を下げたり、足の指先伸ばしたりしてみても意味がない。アウターマッスルで余計な力をさらに加えていくだけになってしまいますので、さっきの方が良かったとなりかねません。
本来なら一旦降りて、インナーマッスルのネットワークに切り替えてから注意事項を実行する必要があるんです。
ここまでは”インナーマッスルのスイッチを入れる” ためには ”アウターマッスルの
スイッチを切る” 必要があるという話でした。
他にもあります。同じような言い方をすれば”インナーマッスルのスイッチを切らない”
というもの。
それはつまり、”関節を固めない” ということです。
主なところは、手首・肩・足首・股関節、そして腰・首・・・あたりでしょう。
これらの内のどれかを固めてしまうと、これらの全てが固まってしまいます。
全てインナーマッスルのネットワークだからです。
先程の ”バーを握る” ケースで考えてみますと、まず、手首が固まりますのでインナーマッスルのネットワークは使えなくなります。
股関節をお尻側に固めてアンディオールしてしまうのも、やはり同じです。
意外と盲点になるのが、出す足の指先を力で伸ばしてしまって足首が固まってしまう・・・これも同様です。
逆に考えると”バーを握っても、指先を伸ばしても、関節が緩んでいればOKです。
体の中の使い方( アウターマッスル < インナーマッスル の力加減 )を模索するには、いい題材かもしれませんね、手首足首の緩み。
手首足首の緩み?って?・・例えば足の指先を伸ばしても、足首が回せれば緩んでるということです、ざっくり言えば。
さて、ここまで体幹としてのインナーマッスルのイメージからお伝えしてきました。
今回このテーマをわざわざ選んだのは、ドゥバンのポジションでの背中。。。ココの力がどうしても抜けない(><)。。それを緩めるためにはアウターマッスル優位の状態を打破する必要があるからです。
原因は分かってるんです。なんで背中の力が抜けないのか。。
でも言ってもやってもらえない・・・心と体の両面で拒否してくる。。
なのでインナーだのアウターだのという話をさせていただきました。
それは”アウターマッスルのスイッチを切る”という意識を持っていただきたいからです。
ドゥバンのポジションでの背中について言えば、広背筋と腹直筋というアウターマッスルのスイッチを切る必要があるんです。特に腹♬直♪筋(^^♪。。無意識のうち、力を抜くことを否定してしまうんですね。ココ。
自然な引上げ(がり)のイメージとして
たまに引き合いに出すこの図・・・
この図の中でいえば ↓
このライン。。ココが下向きに流れると、
インナーマッスルのネットワークが働いてくる。
丁度、みぞおちの力が抜けるような感覚です。
でも、「ここの力を抜くとあばらが出てしまいます!」というのも
よく耳にしますが、それは別の原因(肋骨が落ちている)です。
ですからここに力を入れるというのは、下がってる肋骨に腹直筋で
蓋をするようなもの。。ちなみにここに力を入れると連動して首に
も力が入りますので、首の短いバレエになります。
原因箇所を対策しないと、どちらを取るかという話になってしまいますね。
話を戻しますと
ココが下向きに流れると、腰から胸にかけての上向きの流れが
自動的に流れる(上図)。
つまり自然と胸が開く(張れる)、自然と引き上がる、という
ことに繋がっていきます。
でもバレエでは、アウターマッスル、インナーマッスルと考えなくてもいいようにできています。それが ー5番ポジションー 。。
インナーマッスルが優位に働けるポジションになっているんです。
そこから動いていけばインナーマッスルのネットワークで踊っていくことができる。。
これまで書いてきたように、”アウターマッスルのスイッチが入っていたり”
”インナーマッスルのスイッチを切ったり”
していてはインナーマッスルのネットワークは働いてはきませんが。
それ以前にまず5番ポジションにキチンと入っていなければ、それはアウターマッスルのネットワークにしかなりません。
結論から言えば5番ポジションの内腿がアマかったらダメ、ってことなんですがそれはまたの機会に。。。