間違った親指重心、というのを今まで何度か取り上げてきました。
これまでの内容を簡単にまとめてみると・・・
①間違った親指重心では、その典型例が外反母趾。足先で無理やり親指重心にしていますよ、という話。
②間違った親指重心2では、親指重心に全身で入っていくために腰に当てた手の位置は変えずに、胴体が滑り落ちていくようにプリエする、というのをやりました。
③親指重心と母指球重心の違いでは、親指を踏ん張ると腰が引けてしまうので実は踵重心のままですよ、という話。
ところで、これらの親指(母指球)重心の話。。。どういう風に使うんでしょう?
・・という疑問が・・その使い方にわざわざ説明が要るのかしら?とも。。
何故なら、跳ぶ。。走る。。歩く。。すべて母指球重心をうまく使っているからできる動作です、つまり自然にやってるんです、母指球重心。
ただ、”外反母趾” と ”ルルベアップで足の指が踏んばる” のは間違った使い方ですよ~ というのはお伝えすべき大事な話。
さて、自然(無意識)にやりすぎて分からないかもしれない部分というのは?
・・”かかと重心” から ”母指球重心” へと重心が移動するから、歩ける、走れる、跳べる、というところ。。つまり、常に母指球重心でいるわけではないんです。かかと重心があるから母指球重心もある(使える)、といった関係。。
例えば、アンナバに手をもっていった時の重心はどこでしょうか? - ”かかと”ですよね。
ではでは、アンオの時の重心はどこでしょうか? - ”母指球”ですね。
アンナバ→アンオで、”かかと”から”母指球”に重心が移動する。。。。ので、重心が無くなって軽くなったかかとが浮く = ルルベアップ。。
・・・と考えると、アンオ・アテールというポジションはあり得ないんじゃないかと思ってしまいますが。。
と、ここで突然結論です。
「重心の移動がなくなるのでバーを握ってしまうのはやめましょう!」
・・・少しくらいなら・・・も無しです♬~♪
重心の移動って、身体の中だけで動く小さな動きです。指に力が入っただけで重心移動は無くなってしまいます。なので、少しくらい。。も無しなんです。
重心の移動が無くなってる(バーを握ってる)ことが分かりやすいもの!といえば、後ろカンブレです。例えばこの図は、重心の移動が無くなってバーを握ってる状態です。
足元の重心や腕に力が入ってるかどうかを見る必要はなく、見る場所は矢印で示しているように肘の位置です。この図は右斜め前から見ている図なので少しわかりづらいですが、真横から見たときに肘がどの位置にあるか?がポイントです。
この図では-体より前に肘の位置があります-。この位置での後ろカンブレは母指球重心ではないんですね。母指球に体重を乗せることは出来ますが、それは母指球重心ではないんです。”母指球体重”とでも言いましょうか・・
さて、重心移動を伴う後ろカンブレなら体より後ろにバーの手の肘が来ます。
こんな感じですね。
左図・右図共に体より後ろに肘があります(右肘:オレンジ色の手)。
左図と右図の違いは?といいますと、顎が上がってるか?上がってないか?の差です。
これは前回の肩甲骨は離すか?近づけるか?の体操で、顎とデコルテラインをくっつけるように・・・というのをやりましたがその理由がこれです。
顎が上がるとデコルテラインが下がって、脇が潰れて・・ウェストラインが無くなって・・背骨を潰すような後ろカンブレになってしまう。
それでも子供の柔らかい背骨なら反れますが大人の固い背骨は無理。。というより子供こそ絶対やっちゃダメです、大人になって壊れた体を思い知ることになります。
結論はカンブレの話じゃないですよぉ、
「重心の移動がなくなるのでバーを握ってしまうのはやめましょう!」です。