二軸理論という運動理論があります。
概要は、体幹より骨盤の動きと股関節の外旋、更に肩甲骨の動きによるスムーズな重心移動を使っていく、というもの。
初動の動きの説明をみると”筋肉というよりバランスを崩すこと”によって重心移動を行う。。これ、ダンスやバレエの重心移動と同じだと感じるんです。
そこで、二軸理論の中で出てくるポイントをバレエの動きに当てはめて考えてみたいと思います。二軸理論のポイントとして3つ。
①股関節外旋を使う
②膝関節・足関節の筋力を使わない
③体幹を捻らない、ということなのでそれぞれ見ていきます。
まず、ポイント①・・・
①膝関節や足関節(足首の関節)で蹴るのではなく、左右の股関節を旋回軸(ピボット
軸)とした外旋力を活かす。股関節外旋の動きを起点とすることでターンオーバーの
脚の動きがあらわれる。
'バレエ用に'簡単に読み替えると-足の関節で蹴るのではなく、左右の股関節をターンア
ウトする力を起点とすることで、ターンアウトの足の動きがあらわれる-
ほぼそのままですが、アンディオールのことですね、これ。
しかし股関節外旋というと大抵の方が”大殿筋”で股関節を外に開こうとされるのですが、あくまでバランスで股関節が外旋される、というのが二軸理論。大殿筋でやるとまず膝に力入ってしまいますから、足の筋力を使うことになりますね。なぜ足の筋力使ってはいけないのか?それはポイント②で。
続いて、ポイント②です・・
②ゆっくり倒れこむように走り出します。倒れこむようにというのは後ろ足で蹴らないということです。
ポイント①の力みのないアンディオールにポイント②をプラスすると、ルルベアップの動きになります。
ここでの”足で蹴らない”というのが”筋力を使わない”という意味です。ルルベアップの場合での”筋力を使わない”はつまり、ふくらはぎで上がらない。・・・では、どこでやるの?
股関節外旋⇒骨盤前傾の重心移動⇒肩甲骨の連動でやります。股関節外旋の動きが肩甲骨まで連動すると、実は股関節周りが緩みます。アンディオールが自然に入ってきます。筋力を使ってしまうと固まってしまい、この連動が無くなってしまいます。これが先程触れた足の筋力を使ってはいけない理由です。
バレエ用にまとめると-前に倒れ込もうとすると股関節・骨盤・肩甲骨の連動でバランスし、ルルベアップしていく(ふんわり上がっていきます)・・のでふくらはぎの筋肉で踵を浮かす(ぴょんと上がります)ことはないです。
最後にポイント③
③股関節の外旋または外旋力を働かせることによって、体幹を捻らない運動が可能にな
る。
なぜ?体幹を捻ってはいけないのでしょう・・
体幹を捻ると上半身と下半身との力の繋がりがなくなってしまう(上半身と下半身がバラバラに動いて推進力にならない)んですよね。みぞおちの裏辺り、がその捻ってはいけないポイントになります。
ここで思い浮かぶのはピルエット・アラベスク・・・ 胴体のスクエアを崩さない・・・ みぞおちの辺りの肋骨が飛び出さない・・・等々。バレエに関しては多いですね、このポイント。アレグロの速い動きなんか必須でしょうね。
バレエ用に具体的に読み替えると-(左)股関節の外旋⇒骨盤の(左)捻り⇒肩甲骨の(右)捻り によって体幹(骨盤上から肩甲骨下まで)はスクエアに保たれる。
さて、二軸理論の3つのポイント、のポイント!を感じるままに書かせていただきますと股関節の外旋によって骨盤が前傾し重心が前に移動、そこに肩甲骨が連動し引き上げになる。その連動の邪魔をするのが大殿筋や足首・膝関節の強力な筋力だということ。
この点をバレエで考えると、アンディオールでお尻の大殿筋を固めたら⇒膝・腰がまず固まる⇒そうすると首肩に力が入る⇒結果、骨盤から肩までが固まったスクエアになる⇒腕・足が体と繋がらず肩・前腿・ふくらはぎの力が抜けない。…大筋はこんな感じです。
この二軸理論、賛否の議論が繰り広げられていたようですが、整体スタジオとしては共感できる部分が非常に多く、何やら嬉しく思います。。