前回”膝の曲がったバレエ”の原因は”骨盤の後傾”にあります、そして”真っ直ぐ腰の方の骨盤は必ず後傾”しています、と書きました。つまり、骨盤の後傾により背面の体重割合が多くなるので、後ろに転ばないように膝が曲がる。グランバットマンの時は特に、後ろに倒れないようにするために膝の曲がりが大きくなる、といった話でした。
ところが、骨盤は後傾してないのに”膝が曲がる”とおっしゃる方が幾人かいらっしゃいます。うつ伏せで見せていただくとやっぱり骨盤は後傾しています。このご本人との意識の差は何でしょう?
原因は”反り腰”にあるようです。特に腰の付根から急激に反ってる方は”骨盤の後傾”の意識が薄いです。ですから、腰の付け根から急激に反って出っ尻にしているものを元に戻すと骨盤は後傾しています。
要するに出っ尻とは?
骨盤後傾によって背面にある重心を、前に持って来るためにお尻を突き出すこと。
そこでご自分の骨盤後傾具合を確認していただくために体のメカニズムと確認方法とを紹介したいと思います。
1.骨盤が後傾すると・・・
腰椎が前弯した腰椎から真っ直
ぐな腰椎・後弯した腰椎へと変
動していきます。実際には真っ
直ぐな腰椎の方が圧倒的に多い
です。
2.腰椎が真っ直ぐになってくると・・・
おヘソの裏の骨が外に出てきます。この骨はバランスをとってく
れる骨なのですが外に出始めると体を支えるために硬直してしま
い、バランスをとるといった柔軟な働きは出来なくなります。
↓
そうするとこの骨と繋がっている膝がバランスをとる働きをする
ようになります。後ろ重心のバランスをとるためには膝が前に出る。
つまり、膝は緩んで軽く曲がったままになります。
これが”膝の曲がったバレエ”のメカニズムです。
要するに二本足で立つために膝は曲がっている、という事です。
ついでに・・後ろ重心の体は膝だけでは支えきれませんので、膝につながる腿の筋肉
(特に後ろ側)も硬直することで体を支えてきます。ですからフロアーで腿裏の筋肉を
緩めても立ち上がったとたんにすぐ硬くなります。・・後ろ重心の体(重いお尻)を支
える必要があるからです。
3.自分の骨盤は後傾しているの?
うつぶせに寝ます。そして、なんとなくヘソの裏辺りの背骨を
触ってみます。
①一本の柱の様になっていて上の骨・下の骨の区別がつかないくらい背骨がしっかり触れる方は・・・
A.背骨が外に出てきている状態です。
②上の骨・下の骨との隙間が空いていて(ラクダのコブのようなイメージ)これがちょうどヘソ裏の骨と分かる方・・・
A.背骨が外に出てきていますがバランスをとる働きはまだあり
ます。
③さわってみても骨をあまり感じない、またはとても小さく感じる方・・・
A.背骨が中に入っていますので前弯のアーチがある状態です。
要するにうつぶせで背骨がしっかり触れるということは、骨盤後傾の傾向にあるといえます。
レッスン前にお友達(3人組が理想ですが)と確認し合ってみるとご自分と人との違いがはっきり確認できると思います。