バレエの1番ポジションというのはとかく失敗しやすい。。。
失敗とは、内転筋の力が抜けることを言っています。。
1番ポジションは両足均等に体重をかけるので内転筋に力が入りにくく中心(インナーマッスル)の力が使えなくなります。
どういうことかというと・・
例えば両足均等に(50%/50%)体重を乗せた状態で洗い物等のお勝手仕事をやると、首肩が疲れて疲れて仕方がない。。自然とどちらかの足に体重を寄せますね(60%/40%とか45%/55%とか)。
剣道の竹刀を振り下ろす動きなんかは、両足均等に体重が乗っていたら全く力が入らない。
他にもバスケットボールのフリースローや両手打ちでラケットを振るといった一見、両足均等に乗っていそうに見える場面でも上半身を捻じることでどちらかの足に、より体重が掛かっています。。
さて、1番アンバ-のポジションをもう一度考えてみると両足均等体重。。
両腕も左右対称。。見よう見まねの1番ポジションではもう、首肩だけが凝ってしまい、しかも中心がないので引き上がりもない。。そんなポジションになりやすい。。
対して、4番や5番ポジションというのは内腿を重ねるので内転筋には力が入りやすい。。ので引き上がりやすい。
バーレッスンの最初や初心者には4番ポジション・5番ポジションから入った方が良いと思うのですが、1番ポジションから。。というのが圧倒的に多いですね。
そうなると初心者といえども、1番ポジションを避けて通ることは出来ないんです。。もしもそこでおかしな1番ポジションを覚えたら、10年後の踊りもおかしなままです、きっと。。
どうやら、早めに1番ポジションはクリアしておいた方が良さそうです。
ということで前回、”首の後ろの脱力”の最後に「”かかとの内側の体重”を使って1番ポジションの練習をしてみたい」としておきました。
この”かかとの内側の体重を使って”というのは、それがあると床が踏めるので1番ポジションをクリアするための前提条件としました。
つまり”かかとの内側の体重”で床を踏めれば、内転筋の力が抜けないので中心から引き上がった1番ポジションに入れるということです。
簡単にまとめると「床を踏めれば1番ポジションでも中心から引き上がる」ということ。。・・なぁんだ~それなら聞いたことあるわぁ~♪となっていただけたでしょうか?・・(^o^)ヨカッタ♪
かかと軸にプリエしながら爪先を開く1番ポジション(赤図)と
”かかとの内側の体重”を使って入る1番ポジション(緑図)とを比べて見ます。
ほぼ・・変化ないですね(;^_^A
ここはひとつ・・二つの図を重ねてみます。
ホント!差が出ないですね、体感的には全く違うのですが・・・
この重ねた図から見えるものを取り敢えず追って見ていくと。。
(赤図)の頭の位置が右寄りになっている
これは =左上半身が下がるので、頭が右に寄ってバランスしています。。
(この時点で”首の後ろの脱力”はほぼ断念せざるを得ない・・ということですが・・)
なぜ?左上半身が下がる?
それは =プリエで爪先開く時に左かかとをグイグイ前に出したので、左腰が下がって左上半身を支えられなくなったためです。
重ねた図を見てみると左腕の位置が全く違うので、左脇に違いがあることが分かります。
それよりなにより最も違う点として挙げたかったのは・・・
左足裏の体重配分なんです。
(赤図)の方は土踏まず側がふわふわ浮いたようになって小指側に体重が掛かっているんです。これは床が踏めていない状態。。
必要なのは(先ほど言っていた)かかとの内側の体重!
では。。
かかとの内側に体重が乗っていないことはどこでわかるでしょう?
それが分かるのは内腿のくっ付き具合です♪
緑図の方が内腿(足の付け根側)のくっ付きは大きいです。
わずかな差ですが、このわずかな差で内腿が使えている使えていないがはっきり分かれます。
さて、今回見てきた2点。。
一つは。。首の力が抜けなくなっている点。
もう一つは。。床が踏めているようで、実は踏めていない点。
これらにみられる共通点は、”どちらも気付きにくい”っていう点です。
ではこれらを改善するには?
文字通りそこに気付きさえすれば良いんです。それが出来ればあとは自分の身体が改善していってくれる。”自分の身体は自分が治す”とはそんなものです。
痛い所というのは嫌でも気付きますから、休んだり、温めたり、冷やしたり・・しているうちに自分で治してしまいます。でも今回のような痛みを伴わない点は気付かないので治りにくい、ので進行していく。
ちなみに”自分の身体は自分が治す”の逆が”誰か私の身体を治してください”というもの。「ピルエット回れるようにして下さい」と言っているようなものです。。
他人に出来るのはピルエットが回れない原因の気付きを得る所まで。
その後は結局自分で回るしかない。。
気付きがない例は他にも。。
「筋力が弱ってるからとにかく筋肉を鍛えて・・・」なんていうのものそれ。
例えば姿勢維持のため、常に力が入りっぱなしの筋肉がとうとう硬直してピアノ線のようになって働きを失くしている状態。。
それを筋力が弱っている・・・と言われてしまう。。
ホントは緩めると筋肉が弾力を取り戻すのに、気付きがないために盲目的に筋肉に負荷をかけてしまう。。この盲目ぶりはもはや”信仰”です。
でもこの”信仰”。。成果を上げるんですね、短期的ではあったにせよ。。。。
そもそも”信仰”って、生きる力に於いて大事な部分になっているから否定はしない、しちゃいけない。。むしろ信仰を尽くしきるまで見守るしかない。。
えーと。。”信仰” ではなく ”気付き” の話でした(+o+)
武井壮さんの~自分が思い描いてる動きと、実際の動きがずれていた~というのも素晴らしい”気付き”だと思います。それによって身体に無駄なトレーニングを強いること(練習は裏切らない信仰)が無くなるわけですから。。。 (つづく)