右足はターンアウトしやすい!?という方がほとんどだと思います。
それに比べて左足のターンアウトは・・・言うことを聞かない!
結果、右足はいい子で左足は悪い子となりがち。
でも実際は左足の軸がしっかりしているので右足がフリーに動ける。
逆に右足の軸足としての働きが悪いから左足がフリーにならない、力が抜けないというのが左足がターンアウトしにくい理由。
実は左足はいい子で右足は悪い子・・というより怠けている子なんですね。
なのに、働いている左足を、硬いからといって強引にストレッチしてしまうと関節が壊れて力が伝わらなくなる。これが一番怖いです。
要するに右軸をしっかりさせれば左足もターンアウトしやすくなるということ。
中には右足がターンアウトしやすいけど右軸の方がピルエットしやすい!という方も意外に多いです。でもそれも左足が働いているから。。
つまり左足が右軸を引き込んで外に逃げる右軸を助けている。それは、左足のパッセが低いことで分かります。なんで低いかというとパッセの足に力が入っているから。。
でも今回は右軸をしっかりさせましょう!という話ではないんです。
今回のテーマは右足を思いっきりターンアウトさせてしまうこと、その危険性についてです。それは、身体を壊さないバレエに主眼を置いているからなのですが・・・
では、どれくらいターンアウトさせれば身体を壊してしまうのでしょう?
極端な例でいえばこんな感じです。
いわゆる”後ろの足首が縦”と注意されるヤツです。
開く角度を比べてた時に、極端に 右足>左足 となっている状態です。開きの角度は 右足=左足 じゃないとそもそも運動にならないのですが。。
この手のターンアウトを一言でいうと”足が短くなって肩が上がってしまうターンアウト”。その辺りを説明してみます。
左図が”後ろの足首が縦”のターンアウトの右足。
右図が開きの角度が 右足=左足 のターンアウトの右足とします。
左図の場合、この右足は腰から外れているんです。
つまり腰は胴体の一部になってしまっているので動かない。結果として踊っている時の足の長さは矢印の長さに見えてしまう。
右図の場合は右足が腰と繋がっている状態。
つまり足は腰の先に繋がっているので、腰が動いて足も動く。結果として踊っている時の足の長さは矢印の長さ。
足を腰から使っているかいないかで、同じ体型なのに足の長さは全然違ってしまいます。これが足が短く見えてしまう理由。。
では、足が腰から外れているとはどういうことでしょう?
先程の図に骨格のイメージ図を重ねてみます。
観察のポイントは骨盤と足の繋がり方です。
左図は後傾して落ちる骨盤を支えるかのように足がお尻の方に回ります。
いわゆる老人体型のアンディオールで、踵重心です。
右図は骨盤の中を前へ後ろへ自由に動ける位置にいる。踊っている時の重心は拇指球~踵を自由に行き来します。
足が腰から外れているとは、左図のように老人体型のアンディオールになっていて、重心が後ろに落ちた腰を支えるために、足が働いている状態のことです。
・・・と考えるより、5番の姿勢から2~3歩走ってみるといいです。
左図のアンディオールからだとかなり走りにくいハズ。。重心が後ろにあるので当然前には進みにくい。じゃあ、どうすれば?!いいの?となるんですが・・・
まずは、”踵を軸に爪先を開く”1番ポジションをやめてみられるといいと思います。それは自動的に、踵重心の老人体型アンディオールへとなっていませんか?
さて、肩が上がる話です。
これも先程と同じように5番ポジションから2~3歩走ってみるといいです。
左図のアンディオールからだと、初動で後ろにある重心を前に持っていく必要があります。ほんの一瞬ですが。
その初動が「肩に力が入る」か、「膝が曲がる」かです。
「肩に力が入る」方は”肩が上がりやすい” でしょうし 「膝が曲がる」方は”膝が曲がりやすい”。どちらも重心を前に移動するために必要な初動です。
ですから「肩が上がる」や「膝が曲がる」といった症状は老人体型のアンディオールになっているから・・というのがほとんどです。
そしてこの老人体型のアンディオールを続けていると本当に老人体型になっていくんです。怖いでしょ?