ピルエットで必ず耳にする「軸足の脇を強く!」
これって何でしょう?
逆に「軸足の脇が弱い!」って何でしょう?
これもよく耳にする言葉ですが”体の引上げが出来ていない”ということです。具体的に言うと下半身の引上げが出来ていないので上半身下半身の繋がりがない。
つまり、引上げが上半身だけになっていて”あばらが開いてる状態”。これが”脇が弱い状態”ということです。
それについては、近いうちに書いてみたいと思います。
今回は引上げが出来ている前提でピルエットの軸について考えてみます。
ピルエットのコツをいろいろ調べてみると・・・”パッセ高く” ”すばやくパッセ” ”顔をつけて” ”アームス・・・”
いろいろ出てきます。総合してみると一つの結論に達します。
ピルエットのコツは「軸を一本にする」こと!
いろいろなアドバイスはこのためのものだと思います。
ピルエットがうまくいかない原因は、軸が複数あるから軸足が転倒しないようにバランスを取って回転がぶれる、というところに尽きると思います。
単純に考えて軸は前後左右で四本あるわけです。
それらを一本にしてしまえばバランスがとりやくすなる。
例えば”パッセ高く” でルルベが高くなれば、前後の軸を1本に近付けられるわけです。
同様に考えると、片足で立つことで左右の軸を1本に近付けられる・・はずなのですが、この左右の軸がなかなか寄りづらい。
ここからは目線を変えて、整体的にその左右の軸を考えてみます。
結論から言いますと・・・
「左右の軸を一本にする」ためには「背骨を絞り上げる」こと! です。
転倒しないようにバランスを取っている骨、というのがあります。
どこでしょう?
また出てきました、へその真裏の骨-① です。
但し、ここが収まっていない人はここではなく膝でバランスをとります。そして、そういう人のピルエットは膝の曲がったピルエットになります。
そしてココと連動しているのがアチチュードの時にも書いたペンダントの位置の真裏の骨-②、この①と②が連動して動くための支点となるのが、みぞおちの裏辺り-③ になります。
特にみぞおちの裏辺り-③の骨がバランス取りはじめると「脇を強く!」と言われるはずです。
(膝の曲がったピルエットでは膝とココとでバランスをとってしまいます)
要するにこれらのバランスを取ってくれる骨をユラユラしないようにロックすることが必要になります。
では、どうやってロックするか?
筋肉鍛えますか?
「人の体はよくできてるなぁ」と感じてしまうのですが、(前回アチチュードでも記述しましたが)これらの骨は捻ることができる場所になります。つまり、ここを捻ることでユラユラをロックすることができます。
具体的には③を支点として①と②は逆方向に捻れます。
これが「背骨を絞り上げる」ことによってできる軸です。
でもこれ、自然にやってたりします。
それが・・・目線のスポットを決めて・・・ です。
ピルエットに入る瞬間、目線のスポットを決めると自然に捻ってロックされます。(目線というより肩ごとスポット決めるときっちり捻れます)
これが「軸を一本にする」ための「背骨を絞り上げ」です。
そしてその軸を回転軸にしていくわけです。
「その軸を回転軸にする」には?
そのために必要なのは重心移動です。
それについても、前回アチチュードの中でお話ししてあります。アチチュードのあとにアンディオール・ピルエットをもってきたのには理由があります。それは、片足重心のための背骨の使い方が同じだからです。まとめると・・・
捻りで重心移動するとバランスを取っている骨たちをロックできる。キッチリ重心移動ができて、肩ごとスポット決めれば結果として「一本の回転軸ができる」・・・
でもこれ、ピルエットのプレパーレーションですね。
読み終わってみると「なぁ~んだぁ」となってしまいそうですが、例えばピルエットの調子が悪い時に捻りの骨、三か所を意識されると軸修正のヒントになると思います。
そして捻りの骨三か所を意識できるかどうかが体の精度です。
次回は”アンディオールピルエット”と”アンディダンピルエット”の
分解比較図です。
(つづく)