猫背になる、というと背中が急に丸くなるようにお考えではありませんか?
元々背中の上の方は軽いアーチ状になってる場所なので急に丸くなって猫背になる、という事はありません。
最近よく耳にする猫背とは携帯・スマホの小さな画面に食い入るように向かってる姿勢から顔だけ上げたような姿勢のことだと思います。その特徴は何でしょう?
それは前肩になってるので猫背に見える、という事になります。いずれ本物の猫背になっていくのですが・・・
まずは下の図をご覧ください。
この右側の図は”本物の猫背”です。
首のアーチが無くなって矢印のあたりで頭を釣り上げるように支え
⇦ ています。
この重さに耐え切れないかのようにこの背骨は外に飛び出してきます。そうなると本物の猫背です。
この先はどうなっていくでしょう?
参考までに図示しておきます。
(左)背骨の上の方を捻るように支えはじめ、頭を体に寄せることで負担を減らそうとしてきます。
(右)若しくは丈夫な腰の骨で支えてきたりします。これは背骨を全体的に捻ります。
最近よく耳にする猫背は、このような症状ではないですが、いずれこういう風に進行してしまいます。
一番最初の図でわかるように、猫背に見える原因は前首になってるから背中がむき出しになってるように見える、という事です。
そして首のアーチはなくなっています。
しかし最近よく耳にする猫背に話を戻しますと、最近の猫背は首のアーチはいくらか残ってるのに猫背に見えるんです。
こんなイメージです。
(?。?)・・・急に腕を描き入れました。
実は最近の猫背には腕が大いに関係するんです。
この図は腕と胸の筋肉が委縮して胸の全面を縮めて前肩になり、連動して背中の上部が開いて猫背に見えるという状態になっている図です。
前肩が猫背のイメージを大きくしてるのがお分かりいただけると思います。 なぜこうなるのでしょうか?
最近多いのは指の疲れが蓄積し腕⇒胸の筋肉の委縮を引き起こしてる方です。
意外にも”指を使う”という作業は腕の筋肉を総動員します。
以前は理容師さんに多く見られたのですが、最近は職業に関係なく誰にでも見られます。
恐らくパソコン・携帯・スマホ等で前肩姿勢のまま指を使う機会が増えたからだと思います。
では、酷使されて疲労した筋肉が翌日になっても回復しなかった場合どうなるでしょうか?
単純に疲労は蓄積していきます。そして疲労を重ねた筋肉は硬い紐状の筋肉へと変わります。
ちょうど、ティッシュで作ったこよりの様な状態です。
こよりはある程度までは伸び縮みするのですが、強くよるとカチカチの細い棒のようになります。
筋肉も同じような経緯をたどります。
それが進行していくと腕の二頭筋と胸の大胸筋とに萎縮として起こってきます。
そうすると胸の全面を縮めて前肩になり、連動して背中の上部が開いて”最近の猫背”といわれる状態になるわけです。
「その萎縮が触って解るか?」というと筋肉を触っていてもわかりません。腕の芯を捕まえると受けてる人も、硬い芯のようなものを感じられるのですが、腕の芯を捕まえるのにはある程度、熟練が必要になります。
まず、この腕の芯を緩めてから前肩を解消していかないと、最近の猫背は治りません。
ですから腕の芯が縮んだ前肩のまま(猫背を)筋肉で姿勢良くしたり、器具で矯正したりしても、腕の重さが後ろに行った分だけバランスとして頭が前に出てきます。
前首になると本格的に猫背へと進行していきます。
最後に余談ですが、電車の隣の席の人の携帯・スマホをいじってる肘が妙に邪魔に感じることありませんか?
その人は前肩になってるんです。
上図(右)のように前肩になるとどうしても肘が張ってきてしまいます。
ですから、その人に悪気は全然ないんです。
イライラせずに済みそうでしょ(^.^)