野球、テニス、ゴルフ等々・・・色々なスポーツで論議される”テイクバック。
近年になるにつれて様々な解説がなされているようです。
それらの中からなるほど!と思うものをピックアップしてみました。
まずゴルフスイングでのテイクバック。
1.膝を軽く曲げ、前方に向けた膝を維持すれば、下半身は捻らずに、上半身だけをひ
ねる事が出来る。背骨の回転軸を意識。
2.体を捻り、ダウンスイングのためのエネルギーを蓄える
3.下半身からの始動が鉄則
4.「急がずゆっくりテイクバック」すると、クラブを持つ意識が出てきて手でテイク
バックをしていることと同じになり、下半身からの始動がしにくくなる。
5.テイクバックは脱力が基本ですが、バックトップまではとくに脱力が必要。
6.一番力が入りやすい手首や腕も意識的に動かして、緊張を取り除く。
続いてテニスでのテイクバック。
7.打つときのアドバイスとして、肩を入れるというものがある。
8.腕の力を抜き(グリップを緩め)、コンパクトで高い位置にテイクバック
し、・・・結構びっくりするくらいにうまく打てるようになった。
9.とくに強く意識してほしいのは、「できるだけ小さなテイクバックから振る」
ということ
10.左手をベースラインと平行に伸ばすのは、体を捻るためで・・・
11.膝を曲げ、左手をぐっと右側に肩の位置の高さに伸ばす。ラケットを持った右手も
左手と平行の感じで肩の高さの位置までもってくる。
12.グリップを強く握らない。
この12個、表現の方法は様々ですが1つのポイントで説明できます。
実は8番に私の言いたいことは凝縮されるので、ここから解説していきます。
まず”テイクバック”とは?-「大きい力を生むための捻る動き」です。
そして-捻る動きには2種類あります。
一つ目はA:肘の高さ辺りを境に上半身・下半身を捻る動きです。
二つ目はB:肩と腰とを捻る(Aと違い胴体は捻らないイメージ)動きです。
この”B”の捻る動きこそ、力を生むための捻る動きになります。
大きくテイクバックをとってしまうと、”A”の捻る動きになります。
そこからのインパクトは腹筋背筋といった筋肉をメインに使うインパクトになります。
対して”B”は?といいますと、腰の力をメインに使うインパクトになります。
腰の力と筋力とは違うの?インナーマッスルなの?となりそうですが、例えば・・・
「力が抜けていい球が打てた!」瞬間というのは、腰の力で打てた瞬間です。筋力を使ってる実感はかなり薄いと思いますよ。腰の力と筋力というのは、それくらい違います。
改めて8番を見てみましょう。
「コンパクトで高い位置にテイクバックし」とあります。これが”B”の肩を捻る動きです。そして背骨から肩を捻ることができれば、腰は連動して勝手に逆方向に捻れます。
7番にある”肩を入れる”という動きもこの捻りのことを言っているのだと思います。
8番でもう一つ、「腕の力を抜き(グリップを緩め)」とあります。
実はこれ、腰の力を伝えるためにとても大切な要素なんです。
例えば肩に力が入っていれば、肩だけの力(筋力)になり腰からの力は肩で止まってしまいます。そして肩の力が抜けていると背骨を介して腰の力を使うことができるんです。
同様に、手首に力が入っていると?腕の筋肉を使ってしまい、仮に肩が緩んでいたとしても、腰からの力は手首で止まってしまいます。
つまり、力が入っているところで腰からの力はストップしてしまいます。そんなイメージ・・・ですから、特にグリップを緩め手首の力が抜けていないと、最後の最後インパクトで腰の力が使えないことになってしまいます。
要するに腰からの力を指先まで伝えるためには、肩・腕・手首に力が入っていてはダメだということです。筋肉に意識が行き過ぎてるとイメージしづらいと思いますが・・・
では、具体的にどうやるか?です。肩腰の捻りで力を生むテイクバック。
腰が緩んだ状態で肩がきちんと捻れれば、腰は意識しなくても捻れますので、肩の捻り方を説明します。
肩の捻り方-ラケットのグリップとヘッドを持って肘を張りながら肩を回します。
これだけです。ポイントはいろいろありますが。
まず、両腕でラケットを持つことで、両腕と胸とでひとつの円を作れます。
円になるように肘を外に向けます。そうすると腕肩の力を抜くことができるので背骨か
ら捻りやすくなります。そうです、力が入っていては背骨から捻ることが出来ないので
す。そして肩甲骨の間の背骨が中に入るように意識します。
肩を背骨から捻ることができると、同時にヘソの裏あたりの骨が連動して捻れます。
例えば肩を右に捻ったら、腰は左に捻れます。この瞬間、腰の力が生まれます。
あとは前足の位置を決めて腰の力をインパクトに繋げていきます。
先程も書いたように力みがあるとそこの関節で力は止まってしまいますので注意!
ヘッドの手を離してインパクトに向けてスウィングします。
背骨の捻れが解けるのを意識します。要は背中を意識して欲しいんです。
背中が意識できるとグリップする手の小指に意識が繋がります。
そこまでくれば腰の力が流れている、と見ていいと思います。
ここでは腰の力をインパクトに活かすための、体の使い方の説明までです、悪しからず。
9~12もこの腰の力を使うための肩の捻り方という観点から説明できます。
それと、11番の”膝を曲げ”も一つポイントになります。
というのは、腰の捻りが悪い人は膝で捻ってしまいます。
ですから捻りを膝に逃がしてしまわないために膝を曲げるのは有効だと思われます。
そもそも膝で捻り続けていると、ドンドン体を壊していってしまいますので注意が必要です。これはテニスよりゴルフで、より深刻な問題になってきます。
ゴルフのテイクバックもだいたい同じなのですが、そちらはまた機会を改めて。