良い姿勢を思い浮かべると、”胸が張って背筋が伸びた姿勢”がまず思い浮かびます。
でもこの胸の張り方がクセモノ・・今回はその話です。
大抵、「胸を張って!」と言われると肩を後ろにもっていって胸を張ってしまいます。
これがダメ!この動き、無意識に首の後ろに力が入ってしまいます。
要するに首の力でやってるんです。だから肩が上がってきて首が短くなる。
背中は真っ直ぐになるけど背筋は伸びてない・・・そればかりか首コリ肩コリの原因になってしまいます。
当然そんな苦しい姿勢は長続きしません。すぐ元の姿勢に戻ってしまいます。
ところがです!
姿勢に強い意識が向くと無意識にこの苦しい姿勢を続けることができる。胸を張る癖がついてくる!そうなると実は最悪なんですが・・
どうやって癖付くんでしょう?
肩を後ろにもって行き、胸を張って背中を真っ直ぐにしたその背中。。
特に肩甲骨の間にある背骨、ここを詰めて固めることで癖付けてしまうんです。
詰めて固めてしまっては背骨の働きが無くなってしまう。この辺りは臓器との関係が深い所ですから体調は当然悪くなっていきます。背骨が硬く詰まって体調が悪い・・老化した状態です、一言でいえば。。良い姿勢を作るつもりが老化していっている。
肩で胸を張る癖がつくということはそういうことです。
ではどの程度そういう癖がついているでしょう?
子供の時からそうだという方もいらっしゃいますし、姿勢に気をつけ始めてもう何年にもなります、という方もいらっしゃいます。
肩で胸を張るという動作は同時に肘が内を向くことを表します。
(肘先が外を向かずに内に寄せるような動作になります)
ですから肘を見ると肩で胸を張ってるかどうかが解ります。
そしてその程度は肘の皮のだぶつき具合に出てきます。
後ろから見たときに肘が内を向いて明らかに肘の皮がだぶついている、となると肩で
胸を張っている歴史の長さがうかがえます。二の腕の”ふりそで”なんかもその類です。
また、肩で胸を張る癖がつくと肩甲骨の辺りの背骨は詰まってしまいますから、当然肋間も詰まってしまいます。そうなると対応する胸の前も潰れてしまう。
肩で胸を張っていてもその実、胸は落ちてしまうんです。
その度合は肘の黒ずみとして出てきます。ここまでくると重症ですけど。。
細かい説明は省きますが、肘の皮がだぶついている方は腕を背中から使うということもできない筈です。
ではどうやって胸を張ればいいのでしょう?
腰で張ります。腰のアーチが出来れば胸は自然と張ります。
それが引き上げの流れにもなるんです。
肩周りはその流れの上に力を抜いて乗せておくだけ。。
腕肩に力が入っていては引き上げの流れはあり得ません。
この肩で胸を張る癖、実はかなり危険なんです。