前回、フォアフット走法の”小指からの着地”について考えてみました。
それは足裏の三点でいうところの小趾球が先に着地することで余分な衝撃を逃がして足を護っている、という話でした。
目を転じてみると、バレエのジャンプの着地・・ここにも同様のことがいえます。
小趾球から着地すれば余分な衝撃は捨て去ることができるので、着地姿勢は踵まで自然に踏んだアテールになります。つまり着地の時にスゴイ音がすることなく、静かに次の動きにつながるプリエが踏める、といった具合です。
比較のため、仮に母趾球から着地したとします。
そうすると着地の衝撃を体で100%受け止めることになります。つまり母趾球~足底腱膜部~アキレス腱~ふくらはぎ・・・と衝撃を受け止めます。
衝撃を受け止めた後に次の動きのためのプリエ、つまり衝撃を受け止めてから踵を踏むことになります。途切れますね、動きが。
小趾球から着地すれば、着地と同時にプリエで踵を踏むことができますのでロスがない。この先は踊り方の話になっていきますので、ここまでにしておきます。
単純に着地は小趾球から先に着地すれば怪我のトラブルは防げます。。というのが今回の話の結論になります。(メ・ん・)?が!しかし。。です。
大抵、どちらかの足が・・なのですが小趾球から着地できない方が多いんです。
ーどういうことでしょう?ー
それは小指が内側に巻いて、小趾球が地面に接していない、つまり小指の外側が地面に接しているような感じの方が多い(ここはご自分の足の小指を観察することでお解りいただけます)。
これだと小趾球が地面に触れない。
↓
つまり余分な衝撃を逃がすことができない。
↓
そうなると余分な衝撃を受け止める力が必要になり、
↓
経年によって足首や膝、股関節といったところが力が抜けずに固まっていきます。
この小指が内側に巻いている傾向は、アンデオールを失敗して重心が後ろに落ちてる方によく見られます。
よく耳にする”足裏の三点”とは三脚のように3点で支えて安定します、といったようなものではなく拇指球は地面を蹴るところ、小趾球は余計な力を逃がすところ、つまり力のバランスを自在にとってくれるので安定するということです。
良くできてますよね、人間の体って。
ですから他にも体の本来の機能を存分に使っていけるように体を整えていけば、楽に体を使っていける筈なんです。
話を戻しまして、この小趾球の機能は階段の昇り降りでも体感できます。
階段を昇るときは、地面を蹴る力が必要になるので小趾球は接地感が薄くなります。逆に階段を降りるときは、衝撃を減らす必要があるので小趾球がしっかり接地することになります。ジャンプも階段昇り降りの延長線上にあるようなイメージ・・・
つまり、階段を昇るような母指球の蹴り(後ろ足アンデダン)
階段を降りるような小趾球からの着地(前足アンデオール)です。
ですから、そもそも階段を降りる音がうるさい方や、扉を閉める音がうるさい方(=手首指先の力が抜けていない方は足首も硬いです)には、静かな着地は無理なんです。
そうなると扉を静かに閉める練習とか、、
腕を振りすぎずに歩く(手首指先の力が抜けていない方はこう歩きます)練習とか
普段から体を整えておく必要がありそうですね!
(・・・怒られそうだけど他の書き方が思い浮かばない>。<)
最も危険なのが、着地の音がうるさいから足首・股関節周りの筋肉を鍛える!といいうもの。間違いなく痛めますのでご注意。終わりぃ~。