年配の方を診ているうちで1件、特に嬉しいことがあったので、書いています。
お見えになった症状としては右手の薬指小指が動きづらく、たまに動かなくなる時もある、というものでした。!?危ないでしょ、それ!と思いました。秋口でしたから尚更そうでした。そうです、脳梗塞の進行状況にあると思いました。病院で脳梗塞の検査をお勧めしたのですが、脳梗塞・パーキンソン病ともに異状なしとの診断結果とのことでした。
常用している薬ありますか?-特にないです。とのこと、確認のためにちょっと体を確認させてもらいました。血圧の薬を使っていないかを確認したのですが、その気配はありませんでした。ステロイド系の薬も使ってないとのことでしたので体を診ていくことに決めました。
総観としては右の腰が落ちていて、左肩で体を支えている体でしたので、右の腰を上げて、背中を中心に硬い処を緩めました。”?”で引っ掛かることとしては、やけに体が解毒で働いてるなぁ・・という印象でした。お酒のことも聞いてみたのですが、飲み過ぎてる感じではない。この理由が分かったのはもう少し後でした。
翌日、ご連絡をいただきました。「歩けるようになったんです!」「?」(歩いて帰ったよ・・・ねぇ)実は歩幅が大きく歩けるようになった、ということでした。奥様にも”なんでそんなに歩けるの?今までのは何だったの?”と言われたとのことでした。それはそれは喜んでおられて、私も嬉しく思いました。脳梗塞の進行が止まって良化の方向に進むと思ったからです。が、そのままハッピーエンドで終わらないのが人の体なんですね。
それから、1週間後に診せていただくと、「歩いていてふらつくんです」とのこと。
どうやら、体が右に右に流れていく、右足が踏ん張れない、反射的に右足が出ないといった状況。(また右腰が落ちてきたのかな?)と思いながら診せていただくと、・・・
前と同じように左肩は体を引き上げるように支えている。右腰は上がっている!?、えっ!”右腰が上がってるのに右にふらつく?”その異常感に戦慄しました。
最終的な総観としては、右のお腹が大きな空洞になってるかのように力がない。
この日は硬い処を緩めるのではなく、上半身を腰と繋いでおいて、右のお腹に呼吸を意識するように指示いたしました。しかし、その場は普通に歩けるようになるのですが、しばらくするとまたふらつく。肩の位置は左が上がったり、左右揃ったり・・・・と一進一退といった状況でした。
そして、1か月が経過した頃でした。「パーキンソン病の薬を飲んでた時にはこんなふらつき方をしてましたねぇ」「えっ?」「体に合わないのですぐ止めましたけどね」「いつごろですか?」・・・愕然としながら情報収集・・・半年ほど前まで2~3か月飲んでいたとのこと。初めて診せていただいたときに「やけに体が解毒で働いてるなぁ・・」と感じたアレ。薬か・・・
その日の施術の後「3日間、禁酒しましょう。何にも変らなかったらまた飲んでいいですから」笑いながら承諾していただきました。
1週間後、「調子いいんですよ。普段もそんなに(小さい缶ビール1本弱)飲んでなかったんですけどね。だから今も、止めてます」とのこと。その他にも調子を落とす要因に車の運転をした日、ソファに座って生活した日などがありました。これらは腰を落とす姿勢が原因であることなどお話しさせて頂いたりしているうちに体に対する感覚が徐々に変わっていらっしゃる様子でした。「朝起きたらココの骨(剣状突起でした)がボコッと出ていたんです」とか右の肩が・・左の手首が・・・今朝右手はここまでしか上がらなかったですけど・・・等々、右、左、可動域の話が出てくるようになりました。そして・・・
「昨日、どうしてもお酒を飲まなきゃならない都合があって少し口にしたんですけど、てき面きますね。右側が落ちるというか、朝起きたら戻ってるんですけどね」嬉しかったこととは、これです。空洞だった右のお腹に感覚が戻った、ここから体が変わる!
「○○さんと体が繋がりましたね、体も喜んでますよ」また笑われました。
そして肝臓が本当に働き始めたのはここからでした。(つづく)