足裏の使い方はこれまで何度か書いてきました。要点としましては・・・
親指の付け根(拇指球)=力が入る所 小指の付根(小趾球)=力が抜ける所
踵は・・・錘(おもり)として使ったり、背中を意識する時・・等、幅広いのですが主に、重心移動に使います。踵と拇指球の間で重心を移動させることで体は前に進んでいく。この拇指球 小趾球 踵 の3点を大きく使っていくこと!というのが足裏の使い方の要点。
今回は”使えていない足裏”と併せて考えてみます。
”使えてる足裏”と”使えていない足裏”を指先方向から眺めてみると、こんなイメージ。
”使えていない足裏”の特徴は
3箇所。。
①親指は内向いて外反母趾の傾向に。
②小指は内に巻いて爪が外に。。
③足首前面の腱に締まりがない。。
これは足首が詰まった状態なので
動きが悪い。ルルベの踵が低いや甲が出ないといった状態になります。
この中で最も顕著なのが小趾球。
足の小指が内側を向いて巻いている方、というのは小趾球が使えません。
小指の側面を使ってしまうので小趾球は床に接地しないんです。
次が拇指球。
ルルベアップで指先を踏ん張ってしまう方は、重心が後ろに行って拇指球面の接地が狭くなるので、これも使えてるとは言えない。
踵は、外側ばかりに乗ってしまいがち。
でもこれは腰の使い方を変えないと変わらないのであまり意識されない方が良さそうです。というのは、踵の外側⇒内側に体重を移動しようとするとX脚のような使い方をしてしまいがちだからです。本来は踵に落ちてる重さを軽くしてあげる、そうすると重心が内側に寄るので外側に乗らなくなる。
腰の使い方を変えないと変わらない、と書いたのはこういう理由です。
ということで今回は、拇指球と小趾球の使い方に的を絞って考えます。
まずは小趾球。。
足裏の3点の中でもっとも使われていないと思われる場所です。
先程も触れたように小指が内側を向いて巻いていると、ココが地面に触れなくなります。そうすると、足の力が抜けなくなるんです。結果、ふくらはぎが張る・腿の外側が張る、、といった症状に。
長距離ランナーのフォアフット走法(小指から着地する走り方)というのもこの小趾球を上手く使った走り方だと思います。でも形だけまねして小指から着地してみても上手くいかない。。小趾球から着地できる体の使い方がまず必要でしょう。
バレエなら、例えばアントルラッセの片足着地がピタッと止まる。これも小趾球から着地することで足の力(や着地の衝撃)が抜けるからピタッと止まれる。では、小趾球から着地するためには・・・?
それはよく耳にする通り、アンディオールで着地すれば小趾球から着地します。でも、小指が巻いていると小趾球からは着地できないんです。
仮に着地の足が縦になるのなら、それはバーレッスンでやってるアンディオールが違ってるってことになりますね。
次は拇指球。。
親指に力を入れてしまうことで使えなくなる。
それは拇指球の接地面が狭い(拇指球と親指との境目辺りが使えない)ことの他に、重心が踵に残るのでふくらはぎに力が入ってアキレス腱が縮む=足首が詰まって硬くなる・・・結果として、ルルベアップの踵は低くなります。
そもそも指先で踏ん張るというのは足裏の屈筋群を使うのでアウターマッスルの系統になる、つまりインナーマッスルは使えなくなります。
以上のように足裏が使えない要素としては拇指球と小趾球。
つまり、この二つが使えれば”足裏が使える”ということ。。
この”使えていない足裏”から”使えている足裏”へ移行するためには、親指と小指の巻き込みが無くなればいいんです。
そう言われても親指と小指を巻き上げる!なんてのは無理ですよね。
ですが、指を反らせることで親指と小指は巻き上がってきます。ですから、いわゆる”ドゥミ”の指先なんかは”使えている足裏”のためのステップになります。
足首全面の腱の話になったので、先ほどのイメージ図に力の流れを書き入れてみるとこんな感じ。。
”使えている足裏”・・・親指と小指が巻き上がって足首の前の腱が締まる。合わせて 外くるぶしが上がる。足の甲は凹んで柔らかくなる感じ。。
”使えていない足裏”・・・親指と小指が巻き込んで足首の前の腱が拡がる。
合わせて 外くるぶしが下がる。足の甲は凸して硬くなる感じ。。
余談ですが”ドゥミ” を通して ”ポイント” という動きは、”ドゥミ” で足首全面の腱を締めてその先に ”ポイント” に出す。足の甲は柔らかい状態なので足の指が柔らかく伸びて、結果甲が出る。
足裏縮めて甲を出そうとすると足の指が縮んで幅広な甲が出る。ですから”甲出し”って甲が縦に伸びて出るイメージ。足裏縮めてる甲出しは、と足首前面の腱が開いて幅広な甲が出てくる、それは怪我の元になります。
ついでに、外くるぶしが下がると足は内くるぶし方向に曲がる。つまり”かま足”になってしまいます。
あとは”使えてない足裏”の図の大きいバツ印について書いておきます。
これは体重を受けている所と考えて頂ければイメージしやすいと思います。
親指側のバツは内くるぶしの下に落ちた体重、
小指側のバツは外くるぶしの下に落ちた体重。
これが外反母趾や内反小趾の原因になっていきます。
特に小指~踵のライン上にボコッと飛び出した硬いものが出てきます。
まとめてみると・・
足裏を縮めてるだけで、外反母趾・内反小趾・かま足・甲が出ない・足首を怪我しやすい・・・ざっとこれだけの症状が出てきてしまう。
そんな状況から脱け出すためには”ドゥミ”のポジションをきっちり通してあげること。
指に力が入っているとドゥミのポジションは甘くなってしまいます。むしろ指を反らせるようなイメージでやると足首前面の腱が締まってきて拇指球・小趾球が使えてきます。