最近ストレッチの質問をよく受けます。
フロアーでのストレッチのやり方についてばかりなのですが・・・
大抵の方はハムストリング、膝の裏、股関節というところに答えが集中します。
今の姿勢では、すべて二本足で立って歩くために固くなる必要があるところです。
例えば、ハムストリングは後ろに落ちてくる腰を支えるために・・・
膝の裏は腰が落ちて踵に偏った重心を親指に送るために・・・
股関節は可動域を犠牲にしながら横から落ちてくる腰を支えるために・・・
固く動けなくなっているわけです。
ですから負担が掛かってる理由を取り除けば固まってる必要はなくなり、伸び縮みが自在になる、つまりストレッチは不要になります。
逆にこれらは二本足で立って歩くために固くなる必要があるところですから、フロアーで固まってる箇所をストレッチ出来たとしても二本足で立ってみると、固まる必要があるので結局固いまま、という状況が出てきます。
要するに二本足で立っている状況でストレッチしていく必要がある、ということです。
なので二本足で立って行うバーレッスンが、一番いいストレッチだと考えているのです、でもそれでは答えにならないみたいなので。
上のハムストリング・膝の裏・股関節の場合は、原因が腰の落ちや下がりなので、そこを正さないと緩んではきません。
そして、フロアーで二本足で立っている状況を再現する方法が坐骨を使うことです。
(以前「開脚前屈ストレッチ」の中で・・・坐骨でしっかり座っている感じ・・・と書い
たのですがこの部分のイメージが曖昧になりやすい、ので以下はそこの注釈です)
坐骨でしっかり座っている感じ ⇒ 坐骨が(で)地面に(を)踏ん張れるところ(=上体の重さを腰で受け止めるところ) というイメージです。
よくあるのが坐骨が寝てるので踏ん張れない側がどちらかにあるケースです(股関節の下がっている側にみられます)。
マットの上でやる場合、立ち上がってマットを見ると丸いくぼみが二つできていれば坐骨の踏ん張りが出来ている状態です。
坐骨の踏ん張りを確かめるために、坐骨で床を捉えたところで小さく体を左右に振ってみると坐骨が自然と踏ん張ってきます。そして左右の均等な踏ん張りを微調整します。
腰が下がっていると、左右ともにまるで踏ん張りが感じられません(押されると簡単に転げてしまう)そういう方は坐骨の先端が地面に当たるように膝を曲げていって座り直す必要があります(下右図のイメージです。この膝の曲がりがが本当のハムストリングの硬さです)
一番大事なポイントですが、
・上体を前に倒す
・膝を曲げる
・足の開く角度を片足ずつ狭くしていく という調整が必要です。
下の左の図が坐骨の踏ん張りが感じられない方の典型例です。
一見、ハムストリングはだいたい伸びてるように見えるのですが、実は腰が下がってるだけ。ここからハムストリングを伸ばそうとすると腰が下げるだけになってしまいます。
そこから坐骨の踏ん張りを調整するために”上体を前に倒す+膝を曲げる”の調整を行った後の図が右です。後は右坐骨、左坐骨の左右差を足の開き・内外旋で片足ずつ調整します。
①そこからは坐骨の踏んばりを動力にストレッチしていきます。反動や腹筋でやると腰が
抜けます。以前「1番ポジションの確認」の中で触れた内容です(下図)
①腰が抜ければ③膝が曲がります。
つまりー自分で膝を曲げながら、膝を伸ばすーといったあべこべな?状態になります。それでは関節が壊れます(大抵は関節が壊れないように腰が下がって伸びたふり?をするのですが、本当に引き延ばして壊す方もいます)
ついでに、関節が壊れると力の伝達が無くなります。
例えば、踊ってる姿に限定すると-”グラグラしてます”
”指先まで意識が行ってないように見えます”
”ステップを大きく踏み込んだ割に動きが小さいです”
・・・どれも力の伝達が無くなった結果です。
坐骨の踏ん張りを動力にしていると、下腹に腹圧が入ります。これがあればそのストレッチ、合ってます。そしてこの状態をキープしさえすれば、全身の繋がりの中でストレッチすることが出来ます。
②関節を壊して頂きたくないのでもう1点だけ。
足首はなるべく力を抜きます。後は次のことを意識します。
フレックスしながらゆっくり”踵をお尻から遠ざける”・・・
細かい話は割愛しますが、この意識だけで背中が使えます!
決してフレックスで甲に力が入らないようにご注意ください。
フロアーのストレッチは難しいので危険です、と言い続けていますが実は、フロアーでストレッチしていただきたい場所というのがあります。
次回はその話です。