ここでは体の使い方に焦点を絞るために移動のないバランセ、つまりバーでやる、足が前後に振れるバランソワールについて考えていきます。
もう結論を書いてしまいましたが・・
”足を前後に振る” のではなく ”足が前後に振れる” ということです。
バランスをとるために足が前に行ったり、後ろに行ったりする・・・だからバランソワール(バランセ)っていうんだろうな、と。
では”足を前後に振る”バランソワールと”足が前後に振れる”バランソワールとの違いって?見た目に分かるんでしょうか。。”前後に振ってる”といいところは一つもないので、”前後に振れてる”いい所だけかいつまんでみると・・
足が長く見える、前と後ろに出した足が一瞬止まって見える(メリハリがある)、軸が
ぶれない、膝が曲がらない、・・・といったところでしょうか。
総じて、力みがない!の一言に尽きるんですが、自分が力んでると自覚されてる方は幸いです。なぜならバーを”握っている手”を”優しく包み込んであげる手”に変えて、それをキープするだけで体の中が”バランス”してきます。
後は重心を後ろに移動すれば足が前に出てバランス、つまり静止!そこから重心を前に移動していけば足は1番ポジション通って後ろに出てバランス、静止!重心を前後に移動するだけで出す足はまさにブランコのように振れてきます。
ですから出る足は自分の意識とは逆に動くイメージ。。だから出る足には力みがない。
ハウスダンスの速いステップが、早ければ早いほど柔らかく動けるのも同じ原理です。
行きたい方向の逆にちょっと重心を移動する、と勝手に足が出る。力みがないので速く動けるんです。
さて、バランソワールの話に戻ります。
重心が移動するので全身も前後に1~2cmくらいは動きます。
体の中がそんなに動けば倒れそうになります。
そこで倒れないようにバランスして足が出ます、ここは体が勝手にやります。
あとは意識的に重心移動を大きくしてあげればいい。
ところが倒れないようにバーを握ってしまうともう足は出ないんです。
バーを握った瞬間、バランスしてますから足の出番はない。
例えば足が萎えてきて、杖を使うようになったとします。そうなると足と杖の三点でバランスをとるように体は変わっていきます。そうなると杖なしではもう歩けない。
バーを握るのも同じです。
つまりバー無しではバレエを踊れない体になってしまう。バーとセンターとで流麗さが全然違う方は間違いなくバーを握ってレッスンされてる方でしょう。
重心の移動は股関節のアンデオール・アンデダンで行うことはこれまでも触れてきているのでここまでにします。
バーを握ってしまうと体を中心から使えない、伸びやかさが無くなる=力んでしまう、といったことになっていくのですがそれはまた機会をみてお伝えしたいと思います。
体を中心から使えば手は柔らかくにしかならないのですが、そもそも長年の使い方で体の中心が無くなってしまっている、と手は堅くにしか使えません。
何気なく手のひらを眺めてみたとき・ ・ ・ ・
指が曲がっていたら中心が崩れている証拠です。
そうなるとバーを握らない!が出来ないんです。
それでもあえて対処法を挙げるとすれば”バーを握らない範囲で小さく動く”です。
そうしていれば徐々に中心が戻って、その分だけ大きく動けるようになっていく。
でも勇気が要りすぎますコレ、私にはできません。なぜなら「やる気がないなら帰りなさい!」って怒られるからです、絶対に。。