バレエで”背中から腕を使う”とよく耳にしますが、大人から始めたバレエではこれが良くわからない方も多いと思います。
というより、身体的な特徴によって背中から腕を使うことができないケースがあります。整体的な解説に終始しますが、その身体的な特徴とは”肩甲骨”のことです。背中から腕が使えない肩甲骨は主に2種類に分けられます。
①開いた肩甲骨 と②上に移動して閉じた肩甲骨 です。
下の図でご覧ください(あくまでもイメージの図になります)。
一番左が正常な位置だとします。
肩甲骨の下の角が背中のライン上にあります。ここだと腕と背中が繋がる位置になります。
対して真ん中は背中のラインから外れています。
これは肩甲骨が開いて腕と背中が繋がってない状態です。
見た目に背中が広い方はこのタイプです。
更に前肩になってくると肩甲骨の三角形は傾いてきます。
一番右のケースは痩せ型(腰幅が狭い方)の体型に多いのですが肩甲骨が開かずに上に移動します。見た目にいかり肩の方がこのタイプです。
肩甲骨の三角形は開いている方とは逆の傾き方をします。
真ん中も右も背中と腕の繋がりが無いので、腕だけの動きになってしまい、腕の(付け根)の負担が大きく脇の肋間が潰れたように狭くなっていきます。
この”脇の肋間が潰れたように狭くなって”というのが重要で、これはつまり”肋骨のバネが使えなくなる”事を意味します。
ジャンプの時などに「アームスを利用して!」といわれますが、それは"背中から腕を使う"ことで”肋骨のバネ”が使える、という事です。
プリエで必ず使いたいもの、が”肋骨のバネ”です。これによって上下の引っ張り合いが出来て、全身がバネになる。。プリエの注意点でよく耳にする”頭の位置が下がりすぎない”、”踵をきちんと踏む”といったものも肋骨のバネを使うための重要な要素です。
それでは大人からのバレエでは”背中から腕を使う”や”肋骨のバネ”を使えないのか、というとそうではありません。大人の場合、ほとんどの方は肋骨が硬いので、この”肋骨のバネ”が使える範囲が狭いのです。もちろん個人差はありますから、自分の”肋骨のバネ”の使える範囲を知ることがまず必要になります。その範囲内なら”背中からつながった腕”になりますから”肋骨のバネ”を使う事が出来ます。
次回はその範囲の確認の仕方について書いていきます。