バレエの軸(ピルエットの軸等)について書いてみます。
なぜなら軸に対するイメージが間違っていると、いつまで経っても体の力が抜けないからです。でも軸の話は多岐にわたるので、その中でも一番やっていただきたくないイメージを見ていきます。
1番ポジションで立ちます。
この時の軸が正中線上(体の真ん中)にあるとします。
そこから、その軸を変えずにパッセ。。
さて、軸は正中線上にキープされたでしょうか?
という話から。。
結論から言って、この状態で正中線上に軸を保つことはできません。
まず足だけ見てみます。
(A)パッセした足は1番ポジションでの正中線の軸から離れてしまいます。
(オレンジの△部分)
この部分の重さを正中線の軸の反対側で受け止める必要があります。
これを受け止めるのが・・・
(B)逆側に延長線を伸ばしたこの辺り(オレンジの〇部分)。
いわゆる”わき腹の筋肉”・・真っ直ぐな軸を意識するとここを固めてパッセの
足の重さを支えてしまいます。更に、片足になるので上半身の半分(動足側)
の重さも正中線の軸の反対側で受け止める必要があります。
なるべく上半身を真っ直ぐなままパッセで立とうとすると・・・
(C)軸足側に上半身を少しだけ平行移動しなければなりません。
そして移動距離を少なくするために、軸足側の外側に可能な限り力が入って
しまいます。
肩・わき腹・腿の外側・ふくらはぎの外側(軸足側のオレンジの部分)が力が
入る典型的な部分です。
でも、自覚しにくいんです、これらに力が入っていること。
なぜなら、足をパッセにもっていったと同時に自然に入る力だからです。
本人の意識はパッセの足にあるので無意識に入るこれらの力には気付きにくい・・
でも先生には怒られます。「軸足の肩が上がってる!」
"(-""-)" 「脇が出てる!」or「脇が縮んでる!」
「足の外側に乗ってる!」
・・・そんなこと言われても、この体勢からは直せない。。
なぜなら、この力の入ったオレンジの3か所を繋いだ線が新たな軸だからです。
その注意事項を受け入れるためには、この新たな軸を一度崩す必要がある。
軸とはそんなものです。軸を作り替える以外にない。
ここで、軸のイメージに戻ります。
最初の正中の軸(赤いライン)と、このオレンジの3か所を繋いだ軸。。
これら全くは別の物なんです。
”静体の軸”と”動体の軸”といったイメージ。。
バレエや運動における軸はこの”動体の軸”。。
先程のパッセの過程を踏まえてみると、”動体の軸”とは力が入って固まったところです。
そこが動きの軸になるんです。ついでに言えば力が入ったところには重さも入ります。
ピルエットで考えてみましょう。
手首に力が入っていれば遠心力で振られやすくなる。
パッセの足に力が入っていても同様です(後ろに落ちやすい)。
肩や鳩尾に力が入っていれば高い位置に重さがあるので、バランスがとりずらくなる。
ではピルエットの軸はどう作ればいいのでしょう?
先程のパッセの過程を思い返してみると、パッセに上げた足の力や足の重さに耐えるために軸足の外側に力が入ってしまいました。ということは、先に軸足の母指球の上に軸を作ってから、パッセに入ることです。
そのためには・・・頭は母指球の上にもっていかないと・・・でしょうし、明らかに床を蹴ってパッセしてるということは・・・母指球の上に軸が来てない・・・ということだし・・
そうそう、正中の軸にも触れておきます。
”動体の軸”をきちんと作るためには”静体の軸”も不可欠です。
”静体の軸”も感じてみましょう。
うつ伏せで腰を左右に5cm幅くらいで転がすように振ってみます。
転がりやすい方。。があれば、そちらが崩れている側です。
でも、その転がりを止めてる処が背中にあります。そこには一つの軸があります。
細かいですね。(^-^;
でもその細やかさで体の中を感じないと、母指球の上に軸を作るというのは難しいと思います。
”動体の軸”・・というと難しく聞こえますね。でもこれ誰でも自然にやっているんです。
それは歩くとき。右軸ー左軸ー右軸・・・あとはその精度です。